ミステリの書き方⑧
もう八回目である。八回目であるが、ごもっともな助言と、それに対しうろ覚えで顔を真っ赤にしてもしょうもないのでいちおう調べ直したのである。なにをってニンジャサプライズ理論である。イギリスの女優で作家さんだった。ハリウッドがどうとか誤情報を流したことを謹んでお詫びしつつ、
やっぱイギリスか……。
モンティパイソンの国に任せるとそうなるから厄介だ。言わんとしているのは、ほぼ勝てないのを承知で挑むくらい真剣に考え抜けということだろう。もちろん、わからないけど。少なくとも私は勝てるような展開を思いつけない。かといって負けたまんまで終わってやるほど弱くもないのである。負けず嫌いだから。
そんなわけで、改めていくつか意外性とか面白さを高める方法を考える。
そもそもリアリティに従って縊死にしたのが問題かもしれない。もっと極端にバラバラにしちゃえばいいのではないか。いかん。脳みそがサメとニンジャに毒されていてインパクト重視になっている。だから嫌なんですよこの理論。求めているのはそういう意外性ではないのだ。
これはあくまでミステリなので、ミステリには作法というものがある。
あるったって実際はないんだけど、それでも最低限これくらいは守ろう的なものがある。ノックスの十戒的なアレ。アレを完璧に守るのは難しくとも、たとえば犯人が最後の最後でいきなり出てくるとだいぶ萎える。犯人エクスマキナである。これは避けねばならない。理想を言えば中盤までに出しておきたい。
意外性という意味では、実はトリックは重要じゃない。リアリティもいらなかったりする。故・西村京太郎さんや、ファンの方々に怒られそうであるが、時刻表トリックは実在する必要がないのである。重要なのはあくまで、不可能そうに見えたことができてしまうという作話上の現象である。
となれば、意外性の基本を担うのは登場人物たちの心理描写や動機である。このへんミステリの面白さとは別口な気がする。
……苦手を承知で考えてきて良かった! なんか分かった気がする!
私はパズラー型のミステリを不得手としてきたが、その理由は殆どの場合、動機が普通だからなのかもしれない。金とか、恋愛とか、その他諸々である。一方でサイコパスがどうたらのサスペンス調ミステリは大好きである。言い換えれば異次元の動機が好きなのかもしれない。そこに、ヒントがある気がする。
動機ならニンジャサプライズ理論に勝てる。
思い返せば、このミステリを書きたいから考える連続回で引き合いにだした、女子大学生がブロンズ像を引きずるアレ。実は『屍人荘の殺人』なのだが、そこで私が最も感心したポイントは、犯人は二度殺してやりたく、ゾンビだから二度殺せてしまうから犯行に及んだという点である。あ、ネタバレ注意です。
そして、そういう方面なら得意……でもないかな? 分からん。私は私自身のことが一番わからない人間である。
……でも、そういう意味では、幽霊話の解決のために殺人者を放置する主人公もなかなかに狂ってるんだけどそういう発想が地味なんだよなー! 地味なんだよなー!
深夜のテンションでおかしくなっているのを許して欲しい。でも私のフェチであり悩みは、静かに地味にそっと狂っている人なのです。文章としては明らかに普通の人という調子で、実はとんでもなく無茶苦茶なことを言ったりやったりしている……いいですよね……分かんないけど……。
もうちょっと分かりやすくすればいいんだろうか。分からん。
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