ミステリの書き方③
昨晩は書いていたら寝れなくなってきて最悪であった。最悪であったが、陰鬱としたネタのミステリを考える場合においては最高かもしれないので、なんとなく続行している。前回は教師が幽霊話を流したまでいった。
いま考えると、なんで、となる。
教師がやったのは偽装工作である。だからか。偽装工作をして、成功することを祈っていて、なぜか成功してしまったのである。それはなぜ成功したか。ああ、教師がイジメを認知していたものの見逃し、教育委員会あたりが保身に走ったのだな。酷い言い草だが、少なからず実績もあるし文句を言う権利はあんまりないのが委員会である。これで、大ネタの周りは仕上がったといっても過言ではない。
……トリック以外は。
トリック……トリック……! 全部まるっとガコン! キュイィーン! キュイキュイキュイーン! とお見通しである。縊死の偽装って物凄く難しいのである。ほぼ不可能。遺体にわりとくっきり残る痕に、索痕というのがあって、それは絞められた体勢と使った道具をモロに示しちゃうのである。
……まぁ、そこは、ひとまず置いておこう。舞台は神奈川である。
実際、このところ読んでいたミステリだとだいぶ検死がザルっていうか、鑑識さん何やっとんって話がなくもないというか多い。実はトリックらしいトリックがなくて詰められてバレるパターンもある。本当はトリックがいいんだけど、保留。
もうひとつ。教師が幽霊話を流した。この点にミステリイズムが欠けておる。実際にこれを書いてる途中でファンタジー書きの沖網さんにも指摘を受けた。
せっかく偽装できたのに幽霊話で蒸し返されたら困るのでは?
仰る通りである。私とて、寝て起きた段階でこらちゃうなとなっていた。嘘じゃないもん。教師にしてみればなぜか上手くいってしまった偽装工作なのだから、平穏な日常を取り戻したい。なのに幽霊話が流れてきた。困る。依頼者さまが爆誕です。爆誕って暗黒微笑めいた死語感ありますよね。死んでるという意味でミステリ的なよろしさがある。
幽霊話の解決を依頼したのが偽装工作した本人ってミステリっぽい!
っぽさに嬉しくなってきたが、困ったことになった。もう一人の犯人……というか本筋である噂を流した子ちゃんが必要になったのである。殺人者ちゃんは噂を流した人間として不適である。殺した事実など思い出したくもないからです。
なので、ここは幽霊の噂とはどうやって立ち上がるのか、という機序の視点から考えれば良い。まず必要なのは不安。次に疑念。そして視界の不良である。そうです。
幽霊の正体見たり枯れ尾花です。
偽装工作に成功してしまった先生は、それでも気になって度々、現場となった教室を訪れていた。普段は使われない教室であるし、事件からまだ半年で、使用を避けられている段階である。見にいくのは教師か悪趣味さんしかいない。しかし、だからこそ、部屋にいるところを外から見られてしまったのである。学校で死人が出てれば生徒は不安だ。目撃者は正直なところ誰でも良い。サブキャラが適当な気さえする。
サブキャラが話したのだ。教室で誰か見たと。霊感ある
霊感ある代ちゃんは嘘っぱち霊能者だが、嘘っぱちであるがゆえに、それは幽霊に違いないとする。なんでかといえば、ある代ちゃんはイジメグループのひとりであったため、後ろめたさを覚えていたからである。つまり、恐怖と、虚栄心と、オカルト好きが幽霊を生んだのだ。学園モノらしくて大変よろしい。分からん。昔はクラスに二、三人くらい霊感ある代ちゃんがいたが、今どきの学校もそうなのだろうか。
まぁ、ひとまず大筋は組み上がったっぽいので、次回は登場人物とか細かな動線を整理しようと思う。
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