不健康が許されない学校

 この学校は、どんな不健康人間も許さない。

 僕は学年成績で一番だから、体重100kgでも優等生特権で大目に見られると思っていた。


「もう、これで何回目の罰だと思っているの?」

 ロリ的ビジュアルな女の先生が、僕に呆れながら言い放った。

「すみません、もうこれで青汁200杯目ぐらいだと思うんですが」

 ジョッキ1杯の青汁を手にさせられた僕は、不満をあらわにした。


「入学式から9月の今日まで1日1杯飲み続けていて、今や最初からますますマズくなっている気がするんですが」


「つべこべ言わない。さっさと飲む!」

 女の先生が、ラジカセのスイッチをオンにする。するとデスメタルの物騒なサウンドが、生徒指導室に響き渡る。もちろん教育的にはおよそよろしくない。

 しかも校則では、この曲が鳴り終わるまでに飲み終われなければ、1杯追加である。


 僕はラジカセから響くデスボイスに脅されながら、悪魔的要素満載の緑の液体を口の奥へ流し込んだ。


 しかも僕みたいな不健康人間は、健康な人に悪影響を与えるから恋愛の「れ」の字も許してくれない。


 こんな学校生活、いつまで続くんだ。

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