いにしえの言葉と文字の深い知識、そして自然を、人を、世相を、画を、愛する心と感性とが、見事に織り上げられて。古の人の目を通せば、きっとこのように見えるのだと、そう思わせてくれる世界が、次々と目の前に広がってゆきます。どうぞ、上等の和菓子を口に含むように、ゆっくりと味わってみてください。
一読して目に飛び込むのは密度。短い助詞。形容詞も己が持つ漢字が強く主張します。それでありながら破れることなく端正。評者は現代短歌を好む人間でありますが、かつて歌は文語で書かれたことを意識させられ、その美しさに頭を垂れます。
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