#S-08 何もかも思い通りには

「そんな能力、あるかどうかなんて調べないとわからない。だが…。」

「だが?」

「…だが、そんな高度な能力、作るのに、人の一生を三つくらい使うもんだ。できたとしても、あと、三百年くらいかかる。」

「あぁ、そうなのね。」


その言葉に込められているのは、歓喜か、それとも、落胆なのか、全くわからない。ただ唯一わかるのは、奴、井上いのうえ 此方こなたは何かを企んでいる。



「ふふ。これからね。」



ということで、報告も兼ねて、戻ってきた。


さっき電話していた担当者はなんで、急に人が変わった?とか、急に切った?とか色々聞かれた。


うん。気持ちはわかるが、そんなにきかないでくれ。頼むから。


そして、此方はついてこなかった。確認したら、また他の元囚人を探しているらしい。


なら、考えることはひとつだ。此方が何をしようとしているのか。それだけだ。



現状、わかることは、A-04は、井上 此方。能力は、【あなたの何かに変化へんげする能力】であり、現在、私たちに協力すると、囚人たちの収容を手伝ってくれている。


そして、その手伝ってくれたおかげで、場所が見つかったA-06。現在は、保留になっているが、A-06の家族を見つけ次第、収容する。


叶わなそうだが。


とにかく、あいつは何をしでかすかわからない。だから、あいつは怪しまれないように、自分自身にGPSをつけたんだろうが、それでも何か企んでいるのがあいつだ。


は、と気がつき、GPSを確認する。あいつは今どこに…?


「フラライト…?なんであんなスラムに…?」


あいつはそんなとこにいく趣味はないはずだが。まぁいっか。



とにかく。これからは、上の人たちの命令により、凶悪な能力者も、収容してもいい。かつて、収容されていたやつの能力が弱いもの又は、能力がなくなったら、収容せずに、開放しても良い。


そんな当たり前のことが禁止されていたのが驚きだったが。


ただ、牢屋が足りるかが心配だ。


そこで、電話がかかってきた。


「なんでスラム街にいんの?」

「え?あぁ、能力者がこっちにきてたって話を、小耳に挟んだから。」

「あ、そうなのね。…能力者は?番号は?」

「…三人ね。09と17と21。暴走もあり得るかもね。かなり不安定よ。」

「なんでそんな獣ばっかりなんだ…。まぁいい。準備ができ次第、すぐに向かう。」

「おーけい。私は?」

「周りの民間住民への避難勧告。あとは、暴走しないように、頑張って。」

「はいはい。頑張りますよ。」


ということで、そのフラライトへ、向かう。

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