再起動

#41 ありえないほど主人公

ただただ痛い。何かが体に入り込んでいる。


何かはわからない。


でも...何か僕を突き動かす力があるのは確か...。


(汝よ...力を乞うか?)


何かの声が聞こえる。何か...ただ忌々しい何かがいる気がする。


ただ...


<今は...生きる力が欲しい...>


(よろしい...では...お前の何かが犠牲になるが...いいか?)


なんて言っているかわからない。もうそんなに意識もない。“死”という明確な見えない何かがすぐそこにあるのを感じる。


今は...生きなきゃ...。


<あぁ...頼む...生き返らせてくれ...>


(よろしい...)



と、体全体が力にみなぎる。


「あぁ...あ、うあ...。」


声も出せる。視界も明るい。音も聞こえる。痛みも感じる。


と、そこで感じる。死んだ後、火炙りみたいになったんだった。


それで、移動しているってことは...。


なぎさ先輩...。」

「‼︎...起きたぞ!渚君!」

「!...よかった...本当によかった...。」


そこにいたのは...渚先輩と、東雲しののめ先生だ。


きっと、ずっと、待っていてくれたんだろう。僕の生還かえりを。


ただ体が不安定な気がする。


「ここは...?」

「私の新しい研究所だ。かなり小さいがね。」-?

「...。じゃ...もう前の研究所は...。」

「あぁ。ほとんど全焼だ。だとしても、君が何かしら色々とってきたのはファインプレーだね。」-?

「あぁ...何かしらに使えるかなって。」


そう。戦っている時になんでも使えそうなのは回収した。...あまり使わなかったが。


「特にこれ。この腕時計。これがあれば、研究にかなり取り組める。」-?

「...で、結局その時計はなんのやつなの?」-?

「これは、『053:【時拡大】-腕時計』だ。」-?

「ときかくだい...?」-?

「そう。自分が感じる時間が、一秒で、三十秒まで拡大する。」-?

「あんまり長くなってない気がする。」-?

「じゃ、感じる時間は三十倍になる。」-N/A

「あぁ。めっちゃ長く感じるね。」-N/A

「そうだろ?」-N/A


そう言って、立ち上がろうとすると、体が揺れた。


「おいおい。大丈夫か...?」-N/A

「だ、大丈夫ですよ。」


というが病み上がりなので、かなり危ない。それは、重々承知だ。


あおいくん。これ。」-N/A

「これは...?」

「回復薬。使って。」-N/A

「ありがとう...。」


というわけで僕は復活した。体は半分火傷したが。


それでも、渚先輩が持っていた、回復する何かで、ある程度回復した。

「そんなのどこで拾ったの?」

って聞いたら、

「さっきの研究室。」-T

って言ってた。


かなり盗むのに慣れてしまったらしい。


そういえば。僕が戦ったあいつの話は何にもなかったなぁ。なんでだろう。


「先輩。」

「ん〜。何?」-?

「あの...なんで、僕が戦ったあいつの話が全く出てこないんですか?」

「...。。」-T

「...?」

「...今は違うけどね。君は回復したから。」-T

「あぁ...なるほど。」

「まぁ。死んだわけではないらしいけど。いずれしぬんじゃなぁいかな。」-F


聞かない方が良かったかもしれない。

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