#42 昔話/決意

「そういえば。どこまでついてくるんですか?」

「え、おうちまでだけど?」

「...?それって、うちの家ってことですか?」

「もちろんそうだよ??」


なんでわかんないのという顔をするなぎさ先輩。


「なんでですか?」

「いや。回復できるのは私だけだし。ヒーラーは近くにいた方がいいかなって。」

「はぁ...。もう勝手にしてください。」

「はーい♪」


ということで、久しぶりないつもの道を左折して、右折して、家に着く。


「ただいま〜...。」

「...。」

「あれ。」


声が聞こえない。急いで部屋に入り、電気をつける。


「なんだ...いたのかよ...。電気くらいつけたら?」

「あぁ...あーくんか...おかえり...。」

「ただいま...。てか、どうしたの?あんまり元気無さそうだけど。」

「………んだの。」

「…え?」

「…さんが死んだの。」

「誰が?」

「うちの…お母さんが…死んだの…。」

「え?」



少しの昔話だ。


私たち、橘花たちばな兄妹はお父さんが一人。お母さんが二人。


そんな変な家族だった。お母さん二人は、双子で、“えな”と“さな”という。


戸籍上は、お父さんとえなが結婚していることになっている。


でも、双子どちらも、結婚したいということで、二人は子供ができた。


葵を産んだのは、えな。

茜を産んだのは、さな。


だから、

葵は、9月28日が誕生日で、17才。

茜は、4月2日が誕生日で、16才。


そんなのが変じゃないと思っていた原因は、“えな”はすでに死んでいること。


だから、お父さんは一人。お母さんは一人。という常識が、うちにもあるんだと思い込んでいた。


その常識も、いつだったか教えてもらって、壊れた。でも受け入れることはできた。


でも。どうしても。お父さんはあまり家に帰ってこないのは、かなり変だと思っていた。


でも今はそんなことはどうでもいい。


お父さんと会ったが、かなり、げっそりしていた。当たり前だ。


私たち。橘花家は、お母さん二人を失った。それを愛していた、お父さんは、かなりショックを受けたはずだ。


子供の僕達が、かなりショックなんだ。そりゃ、お父さんは立ち直れるかどうかもわからない。



それはもちろん僕たちもだ。



「葬儀は終わったの?」

「あぁ...。はい。」

「そう。」

「...。」

「...。」


先輩は車の免許を持っているから車を運転できる。まぁ、レンタカーなのだが。


「どうするの?これから。」

「...どうしようかな。」


いや、ほんとにどうしようかな。



「...決めた。」


私は、死因がわかった。だから...復讐をしなきゃ。でも、かなり準備が必要かな。

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