#M-14 訪問者

現在。

私たちは、逃走を図っている。時は遡るほど、2〜3時間前。



「いや。やっぱり、杏奈の料理は相変わらず美味しいね♪」

「そう?あんまりだと思うけどなぁ...。」

「過小評価しすぎ。こんなに美味しいんだから、あまり、小さくならなくてもいいんだけどなぁ。」

「そうかな?」

「絶対そうだって。だから...」


ピンポーン


と、遮られるように、隠れ家のチャイムがなる。


「すまねぇ...。こんな時間に...。なんか...食べれる物ないか...?」


そいつは、とある、能力者との戦いで、吹っ飛んできたらしい。


最初は、傷が痛くて、動けない感じだったらしいのだが、即効性の回復薬をくれた人がいて、回復したらしい。


だが、その後、その人はいなくなり、食事もなくて、三日三晩彷徨っていたらしい。


名は、黒賀こくが 悠二ゆうじというらしい。能力は多分持っていない。無能力者だろう。武装はしているけど。


「うん...。とりあえずはわかったんだけど...。どうやったら、吹っ飛んできて怪我程度で済むんだ!?普通なら、死んだとか、病院に搬送されたとか、あるもんだよね!?」

「いや〜それが...木にちょうど引っかかって、死は、免れたんだ。実に幸運だったよ。」

「そうなのか...。でもよくここまで生きてこれたな。」

「本当に幸運だと思います。あの即効薬や、ここにこれたのも含めて。」

「本当に良かったねぇ。」


そんな会話をする。ご飯を分けてあげたし、これからどうしようか。ここに、男を、連れてきたのなんて、初めてだし...。


「あの...君はこれからどうする...?」

「あぁ...とりあえずここで夜は明かしたいんだけど...。いいかな?」

「ちょっと待ってね。」


杏奈と後ろを向き、こそこそ話す。


「どうする?ここ女しかいないんだよ?」

「うーん...。別の部屋にする?」

「布団が、三つしかないんだよ?」

「あっ。そうだった...。」

「どうする...?流石に、ここまでギリギリを生きてきた人に、さらしで為させるわけにはいかないしなぁ。」

「うーん。」

「うーん。」


と、悩んでいると...。


「あ、ここで大丈夫ですよ。朝日が出たら、すぐに出て行きますから。」

「あ、え、本当にいいの?」

「はい。大丈夫ですよ。特に不満とかないですし。というか、ご飯くれたので、もう大丈夫ですよ。」


と。



その後。


「めっちゃ寝るね。」

「うん。布団かけようか。」

「え!いいの?」

「大丈夫。へーき。明日別に何かあるわけじゃないし。」

「そーなの?」

「うん。朝まで起きておくのは、少しきついけどね。」


そんな会話をしていたら...


ピンポーン


と、今日二度目のチャイムが鳴った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る