#32 Killers

病院はほとんど、炎に囲まれた。窓からは、赤黒い、火が見える。


「どうします?これじゃ、患者は...。」

「...逃げるしかない。」

「え、逃げるんですか!?」

「あいつらは見える全ての能力者を殺さないと気が済まない。だから逃げないと、犠牲が増えるだけだ。」

「だからって...!」

「あいつらは能力なんて使わない。」

「!?」

「現代における、武器を最大限使ってくるんだ。しかも、能力者を殺すなら一般人も厭《

いと》わない。」

「...。」

「だから、速く逃げなきゃいけねぇんだ。ほら、立て。逃げねぇと“死ぬぞ”。」


きっと。ここでは二つしか選択肢はない。一つは、ここで、東雲しののめ先生と逃げて、なぎさ先輩を、見捨てるか。もう一つは、ここで逃げずに、死闘をAKと繰り広げて、撃退して、ここで生き残るか。もちろん、僕自身が、死んでしまう可能性もある。が、今はそれは問題ではない。自分のことなんてあとでいくらでも考えられる。助けられる命は後では救えない。だから...


「あの...僕。助けに行きます。」

「あ!ちょ...」


強引に手を離し、元の階に戻る。なぎさ先輩に、【透明化】の帽子と、【液化】の指輪をつけて、ありったけのシーツで乱雑に組まれている感じにする。


外はもう、戦争みたいな状況だ。来いよ。AK。僕の力でぶち壊してやる。



こちら。佐藤病院前。


「are you ready?」

「「「OK」」」


なんとなく。この“AK”という組織に入って、結構経ったが、人がかなり減ったなぁと感じる。兵器調達班でさえ、一つしか無い。組織瓦解班も、4つしか残っていない。1/3にまで減ってしまったため、最近は、あまり激しく動くことが出来なかった。


が、組織を瓦解させた時、生きている人間を、うちらの労働力として、捕まえれば、うちらの人員不足も解決する。あとは、組織内部の、兵器や、能力機械なども回収すれば、うちらの戦力は格段に上がり、うちらの行動理念である、「人間社会に能力者はいらない」をスムーズにできる。


だから、この組織は、内側を、あまり壊さず、内側で、能力者を殲滅。もしくは回収。終わり次第、内側を徹底捜索。回収物があとないと判断し次第、爆破。


「ほんっと、うちらってイカれてるよなぁ。」

「それがうちらの得意な点だから。」

「何?それ以外何も出来ないと?」

「いや。そういう意味じゃない。...が、まじに、それ以外ないよな。」


まじにこの組織はそれだけ。後の事なんて考えていちゃいない。

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