#29 体を作ること

朝。今日は、自分の中にいるやつの別の体を、作るという話をリンセと真剣にするつもりだったが...


「全く繋がらない...。」


テレパシーがリンセ自体に届かない。


結局、決めきれずに、朝ごはんの時間になってしまう。


今日は珍しく、僕だけの朝ごはんだけが置いてあった。あと、書き置き。


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今日は用事があったので、ご飯を作っておきます。夜ご飯前までには帰ります。お昼は自分で。

                 茜より

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用事があるなんて、珍しいなぁと悠長に思いつつ、朝ごはんを平らげる。


<...なぁ。>

(ん?なんだよ。)

<本当に体をくれるのか...?>

(わからない。でも行ってみて、作れるなら作ったほうがいいだろう?)

<あぁ。出来るだけ早くな。そろそろ厳しいかもしれない。>

(わかってるよ。)


あぁ。わかっているからそんなにせかさないでくれ。



そして、昨日もきたフラッターに足を運ぶ。その中の、ブライナーという組織に案内してもらう。とおるさんも、一緒にきた。何か用があるとかなんとか。


「なぁ...。ここの、能力者は持っていかれてないか?」

「あぁ、持っていかれていません。全員無事です。」

「あぁ。そうか。よかった。...あ、この子は昨日、被害にあった、機械を探す“捜索隊-い”の方です。」

「あぁ。あなたが。よろしくお願いします...。」


よろしくお願いします。と一礼する。


「...こちらに伺ったのは、この子の願いを叶えてやってほしいんです。」

「ほう...。どんな願いなんだい?」


と、こちらを向いて、話しかけてくる。


「実は...僕の中の別人格の専用の体を作って欲しいんです。」

「あぁ...なるほど。」

「できますか...?」

「ちょっと詳しく聞くね。えーと...いつから、別人格がいるの?」

「えーと...能力をもらった時です。」

「それはいつ?」

「1、2、3、4...5日前?4か5のどっちかです。」

「なるほど...別人格は表に出てこれる?」

「はい。出れますよ。」

「おーけい。じゃ、そこらへんに座っておいて。」


と言われ、そこにあった椅子に腰掛けながら待つ。


数十分後、大きな機械を持って移動してきた。


「じゃ、あおいくん。ここに入って。」

「わかりました。」


入ると、なんとも言えないような、窮屈感を感じる。あとは、何かから見られているように感じている。


「今からは、君と彼と体のサイズ確認。あくまで、確認ですから。」


と、優しい声音で言われた。

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