#28 無神

『それ...本当にできるの?』

『はい。できるはずです。だって、資料にそう書いてありました。』


と、自信ありげに言うリンセ。やっぱりこいつ、泥棒じゃないか?


『失礼ですね。あなたと一緒に入ったんだから、正当です。』


と、そんな弁明をする。というかナチュラルに心読まないでくれる?と、そこで、ふと思ったことを聞いてみる。


『なんで今日は、地上にいたの?』

『それは...。』


少し言葉に詰まっている。話したくないんだろうか。


『いや、大丈夫です。そうですねぇ。一番は私でもよく知らなかったから。ですかねぇ。』

『ということは...本当に情報が欲しいから、地上に出て、潜入して、僕に助言をしてくれたの?』

『あの女に会うのは予想外だったけどね。』


あの女とは、僕が今日、戦った、機会をめっちゃ使う女のことだろう。しかも戦ったのはその“コピー”。本物オリジナルは未だ、逃走中である。


『そうなの?てっきりそれも仕込んだのかと...。』

『そんなわけないじゃないですか?』

『じゃ...僕や、いおりのことも知っているのは仕組んだことですか?』


彼女はかなり驚いた様子で声も出ないらしい。


やがて。


『私たちの住む、そらには、能力を与えた人間の情報が自動的に入ってきます。』

『続けて。』

『そして、私が君に能力を与えたら、情報が入ってきました。それは...“別の何か”いるということ。能力が“二つ”だったこと。そして...。』


「あーくん!!」


いいところであーちゃんに呼ばれる。


「あぁ、どうしたの?」

「いや、さっきからずっと呼んでいるのに、全く気づかないから、寝ているのかなって。」

「いや...寝てはない。...はず。考え事をしていただけだよ。」

「本当?大丈夫?」

「うん。大丈夫。でも、疲れているのは本当だから、早めに寝るね。」

「うん。おやすみ〜。」


さっき聞きそびれてしまったことを聞こうとしたが...。


『なぁ、さっきの続き...。』

『ごめんなさい。後にして。』


と、テレパシーを拒否してきた。


何が起こったんだろう。





このそらの世界は階級制だ。上から1・1・2・3。計7神。私はその神の中の一番下。3の代替層。すぐ変わるから、その名がついたが、私はかなり長くいた方だったと思う。


が、その役目も終わったのかもしれない。私は、重会議に呼ばれなくなったし、あまり、神の力が使えなくなってしまった。このそらにいないと、不安定になってしまうほどだ。


しかも、私が扱える能力は、どれも。他の神は必ず属性がついたり、複雑な能力を扱えるのに、七神の中で、唯一、属性がないなんて。と、言われているらしい。


私が与えるのは、回復させる能力だったり、何かを予測したり、何かが見えたり、何かを真似たり、力を強めたり。そんな能力は何も世界に影響を与えないと、コケにされた覚えがある。


だから、多分これから起こることも必然かもしれない。

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