#25 ???戦:後

何でか知らないが、串刺しになってしまう未来は避けたい。が、さっきから重力があちらこちらに移動して、体が空間に嵌ったみたいになってしまった。


「どう?そこからの眺めは?」

「最悪だな。まるで、バンジージャンプみたいだ。」

「あら、よかったじゃない。あまり、体験できることじゃないのよ?」


正直焦っていた。どうしようか。が、考えるより、体が先に動いていた。りんごを回収して、能力を模倣する。


いや、模倣じゃなくても、この機械があれば、重力が操れるんだろ。頼む。僕が地に足つける方法を...。


「じゃ...そろそろ終わりにしようか。」


そう言って、何か小型の槍を出して、サイズを大きくした。これか、串刺し。


「じゃあね。また来世。」


...僕はどうすればいいんだ?


『何か忘れてないですか?君にはまだ能力があるでしょ?』

「そんなのどこに...」

『私は能力の説明の時、何か例に挙げましたよね?』

「...!?」

『思い出したんですかね?そうです。

    コ ピー

【何かを複製する能力】を例として、出しましたよね。それが、君のいや、君の裏の本当の能力。』

「裏の...つまり、二重人格?」

『そうでもあるし、そうでもない。もともと眠っていた人格が能力を与えたことによって、目を覚ましたの。だから、急に意識を失って、記憶がなくなったりしたりしたの。』

「じゃ、なぎさ先輩を助けようとした時の記憶がないのは...。」

『そうです。裏の人格が出てきたということです。でもうまく扱えなくて、倒れちゃったんでしょう。』

「そんな...どうしたら、気を失わないようになるんだろう。」

『それは...君が別人格を受け入れればいいと思う。』

「...なるほど。」

『時止めは続けておくから。意識を別人格に向けて。』

「本当なんでもありだな...。」



そう言って、自分の中に話しかける。


(聞こえる?)

<...あぁ。>

(今、危機に瀕してるの。だから、手を貸して欲しいの。)

<...今か?>

(ああ。今なんだ。頼む。)

<はぁ。なんとも言えないな。そうだな...。終わったら、何か一つ願いを聞いてくれるか?>

(あぁ。いいぞ。なんでもいい。)

<契約成立だな。とりあえず意識を交換する。そのあとは、安定させるようにしてくれ。俺自身がとても不安定なんだ。>

(わかった。)


『いいですかね?』

「ああ。バッチリだ。」


...俺はどうすればいいのか。簡単だ。目の前の問題に食らいつき...全てを解き切る。


「おらぁぁぁ!!」


りんごの能力をコピーして、自分の重力を地面に叩きつける。槍は壁に突き刺さる。すぐに、槍自身の能力をコピーする。


「へぇ。サイズ変化ねぇ。」

「...なんで生きている?!」

「さぁなぁ。お前が手を抜いたんじゃないか?」

「クッソ...調子に乗るなよ!!」


そう言って、何かを取り出した。...どこからどう見ても、石と針だ。どちらとも上に投げて、石は周りのものを巣食うように展開し、針は、液体を生成しているように見える。


「それでいけるとでも?」

「なんだと...?」


石はサイズを大きくして、力を無くした。普通の大きな石になった。針は限りなく小さくして、液体が流れというのは小さくした抵抗で針自身を壊した。


「さて...君はどうするのかな。」

「うるっせぇなぁ。黙ってくれ。」

「...そこの研究員。紐を取ってくれないか?」


そこにいた研究員が、紐を持って来てくれる。


「ありがとうございます。」

「何するの?」

「縛るんだよ。逃げないようにね。」


そう言って、戦った女の子を縛る。


すると別の部屋から“えらい研究者”みたいな人が入ってきた。


「あぁ、その子が今回の騒動の?」

「はい。」

「わかりました。連れて行きますから、こちらに。」

「はい。...あれ?」

「どうしました?」

「温もりを感じない。」

「え?どういうことですか?」

「...死んでるのか?いや、そんなことがあるはずが...。」

「ん?その紙なんですか?」

「え?ん?これですか?」

「はい。そうですが...。えっと...読みますね。」

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ありがとうね。わざわざ囮に引っかかってくれて。もう、何もかも持って逃げてるから。皆さんがたには結構な迷惑をかけましたが、それで実験に付き合わされたり、あんな扱いをされるならここにいる理由はありません。

もういいです。探さないでください。

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つまり、やられたということだ。あいつの手のひらの上でコロコロ転がされている。

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