#15 フラッターへ

 次の日。僕はいつも通り早起きをしていた。

 早起きする理由はあまりないが、いつもとっている新聞を読むのが習慣なので、早起きも習慣になってしまっている。


『いい習慣じゃないですか。健康にもいいですし。』

『そんなもんかなぁ。まぁなんやかんやでこの時間が、一番気が楽になるしなぁ。』


 そんな心地のいい時間が永遠に続くわけはなく、朝ごはんができたぐらいに呼ばれる。


「あーくん?起きてるー?ご飯だよー?」

「はーい。」


 そう言って、家の階段を降りる。


「おはよう。」

「うん。おはようー。」


 そう言って席に着く。手を合わせ、いただきますと言い、ご飯を食べる。


「...そうだ。あーちゃん。」

「んー?なに?」

「僕、やっぱり、会社に行ってみようと思うんだ。」

「え!!嘘!?」

「まぁ、そんなにテンパらないで...。」

「え?だって...!?え!?」

「落ち着け!理由はあるから、少し、落ち着いてくれ...。」

「......うん。落ち着いた。」

「うん。じゃ、理由はについてだけど...。」

「...。」

「学校に行くのがあまり意味がなくなったから。だ。」

「...学校に行きたくなくなったの?」

「いや。行く時は行こうと思っているが...。あまり行く意味がない。」

「えぇ...。そうかなぁ...。」

「だって、頭いいし。わかることやったってつまんないんだもん。」

「それは...わかんないや。頭良くないし。」

「...だから...。学校に行くんじゃなくて、どこかで就職するってこと。」

「大学は...?」

「お前も行く気ないだろ?それと一緒だよ。」

「なるほど...。」


 そんな、妙に確信した、あーちゃん。なんとなく横暴な誤魔化し方だったが、伝わればいいので、放置しておく。


『って、そうなりますかね?』

『何が?』

『いや、就職するって言うです。本当にそれで、ずっと隠せるんですか?』

『なんの言い訳をしても結局ずっと隠し続けなきゃいけないから。変わらないよ。』

『そんなもんですか...。』


 そんなことを言い合い、朝ごはんを食べ終わる。


「ごちそうさまでした。食器持っていくねぇ〜。」

「はーい。」



 そんなこんなで。フラッターまで来てしまった。が…


「入り口って...どこ?」


 そこにはなにもないただのがあった。ただ...触れる固い何かがあった。


『チラシって持ってきました?』

『え?』


 そうリンセに言われ、チラシを取り出す。うん。この写真にはこの風景の中心に建物があるんだけどなぁ。と、チラシに見入っていると…


あおい君。目の前見てください。』

『え?なに?』


 と、顔を上げると…。


 チラシとそっくりな建物がたっていた。


「何で…。」


『早く入りましょう。どうなっているのかワクワクしてきました♪』

『そんなに...?』


 ワクワクしているリンセと、不安な僕。


 これからどうなるんだろう。

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