第17話
三人が店内に戻ると、歪みはゆっくりと消えていった。
「ずっと辛かったろうな。俺たちに打ち明けてくれれば良かったのに」
「わたしたちに何ができたかわからないけど、それでも黙ってることないのに」
沙耶が話せるようになったことは信じられないくらい喜ばしいはずだったけど、手放しに喜べる空気でもなかった。
「もっとお前たちのことを信じれば良かったのかもしれない。辛い思いをさせてしまった。ほんとうに済まない」
秀一は、ただただ頭を下げた。
「辛かったのは俺たちだけじゃないよ。俺はお前を責めるつもりは全くない」
「わたしも、また話せるようになったんだし自分を責めないで、秀一」
三人で手を握り合い、秀一は涙を流しながら、少し微笑んだ。
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