家庭料理を作るのです!


 私は母親と食べたかった料理を作りました。

 家庭料理と呼ばれる物です。


 ご飯はもうメイドさんがお釜で炊いてくれています。

 なので、ご飯は任せることにしました。


 まず『肉じゃが』を……お母様はジャガイモの皮むきも……危ないので、控えていただきました。

「凹むわ……」


「仕方の無いことです、私は男として育てられましたが、ご飯は一人で作っていました、嫌でも上手くなります」

「でも、お母様とご一緒にご飯を食べれるなんて、嬉しくて……すこし待っていてくださいね♪」


 ジャガイモと人参は乱切り、タマネギはくし切り……

 レシピを検索すると、ドンドンとノウハウが頭に入ってきます。

 包丁さばきも名人級……

 30分でできあがり……


 その合間に、野菜炒め、お肉料理ばかりですね、お魚もいりますね。

 今は七月、鰯にしましょう、『いわしのかば焼き』をチョイスです。


 あと卵焼きですね。

 関西風の『だし巻き』と関東風の『厚焼き』の二種類です。


 そろそろご飯が炊けそうですので、後はお味噌汁です。

 某お味噌のメーカーのレシピに、『大根と小ねぎの味噌汁』がありましたので、参考にしました。


 全てメイドさんの分も作っていますが、メイドさんは気を遣って別室で食べるそうです。

 でも調子に乗ってかなり大量に作ってしまって……

 

 皇后様、いやお母様と、二人でお昼ご飯……


「遅くなりましたが、ご一緒してくださいね♪」

 

 白ご飯に、肉じゃが、野菜炒め、いわしの蒲焼き、卵焼き二種

 大根と小ねぎの味噌汁


「そうだ、口直しがない!お母様♪少し待ってください♪直ぐに作りますから♪」

 余っていた大根葉を塩もみして、砂糖、ごま、ゴマ油、を適量混ぜてできあがり!


「これ、ご飯に混ぜて食べても美味しいのですよ♪」


 皇后……いや、お母様と二人でお食事……

 学校の事などを話しながら、楽しく過ごしたのです。


「そうだ!皇太后様にお出ししたアイスケーキ、ちゃんと冷凍保存していますので、いかがですか?」

「雪乃、私が『母』なのですから、皇太后様は『祖母』と呼んであげてください、きっとお喜びになりますよ」


「おばあ様……と呼んでいいのですか?」

「きっとね」


 あっっ、私、久光お兄様と慶子お姉様以外にも、家族が出来たのですね♪

 『お父様』と『お母様』と『おばあ様』♪

 多分、私は今、凄く嬉しそうにしているでしょうね♪

 そうだ!


「あの……お母様、こんな物で恐縮ですが、いっぱい作りましたので、お弁当にして、『お父様』と『おばあ様』に差し上げたいのですが、よろしいでしょうか?」

「それは喜ぶでしょうね、とても美味しいですから、お願い出来るかしら」

「そうだ♪私にももう一つお願い、三人で一緒に食べたいのよ♪」


 お母様はアイスケーキもお食べになり、褒めてくださりましたね。


 そしてお弁当の用意です。

 白ご飯に大根葉の塩もみを混ぜておにぎりを作ります。

 後は野菜炒め、いわしの蒲焼き、卵焼き二種を詰め、肉じゃがは小さいタッパーに詰めました。

 タッパーはこの世界ではあり得ないのでしょうが、相手が相手ですから大丈夫でしょう。


 せっせとお弁当を用意して、ハタと思いました。

 『シリアル』をどうしましょう……


 お母様に申し上げると、

「雪乃のご飯が美味しくて、忘れていました」


 二人で思わず笑ってしまいましたね。


 とにかくですね、おばあ様に渡したのと同じ種類の『シリアル』を、渡したのです。


 それなりの荷物になりましたが、お付きの方を呼ばれたお母様でした。

 そうそう、簡単なコーンフレークの手作り方法も聞かれましたので、書き写してお渡ししました。

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