第20話 バトラ王とミーナ王女

 睡眠をとっていた部屋を出ると、ミーナ王女が待っていた。


「昨日は、良く眠れましたか?」


「はい、ぐっすりと。タイロンは?」


「そうだな。良く寝れたな。」


「それは、良かったです! 今から、朝食を食べようと思っているのですが、お二人もどうですか?」


 ミーナ王女の誘いを受けることにした。

 階段を下りると、調理場の反対側にダイニングルームがあった。


 そこには、料理長メイクの姿もあった。


「無事に剣を届けられたみたいですね……良かったです。私の作る料理を楽しみに待っていてくださいね!」


「メイクさんが手伝ってくださったからです。料理楽しみにしています。」


 少し待つと、料理が運ばれてきた。

 料理はどれも、素晴らしいものだった。

 メイクが現在、料理長をしているのが分かった気がした。 


 料理を食べた後、メイクが調理場からやってきた。


「味はお口に合いましたか?」


「えぇどれも、美味しかったです! ご馳走様でした。」


 メイクは、また料理を食べに来てほしいと話した。

 カイルとタイロンはもちろん了承した。


 ミーナ王女と一緒に、バトラ王に挨拶をしに行くことになった。


「よく来た。昨日は、よく眠れたか?」


「はい、私もタイロンも眠れました!」


 やはり、親子だ。

 聞き方や、表情などがそっくりだ。


「それは、良かった! さっそくだか、メレンポッドの渡航禁止を解除しておいた。これで、通行許可証が無くても、船で行き来が出来るであろう!」


「分かりました……これから、メレンポッドに行ってみようと思います!」


「そろそろ、行くのだな。カイル……タイロン! そなたらの健闘を祈っておる。無理はするでないぞ!」


「ありがとうございます!」


 2人は、国王に感謝を告げた。


 バトラ王は、ミーナ王女の所まで歩み寄った。

 言葉を掛ける。


「ミーナ……今日まで良く頑張ってくれた。これから、多くの出来事が待ち受けているだろう。それは良いことも、悪いことも含まれる。その経験したことを次に繋げれる人になってくれ!」


「ありがとう。そして、私のわがままを許してくれたこと感謝します。外の世界を自分の目で見て、経験したことを大切に出来ればと思います。行ってきます!」


「思い出に残る、素敵な旅が出来ますように……」


 3人の姿が見えなくなると、国王が呟いた。


 カイル達は、正面の扉から出ていく。

 入ってきた時とは、大違いだ。


 城下町を通って、アルメスク王国を後にする。


 カイルとタイロン、そしてミーナを加えた旅が始まった。

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