第19話 お金

 カイル達の仲間になった、ミーナ王女。

 バトラ王は兵を呼んで何か伝えると、兵が部屋から出ていった。


 少しすると、袋に入っている何か重そうなものを持って、兵が帰ってきた。

 バトラ王の前に置くと、元の場所に戻る。

 カイルは、これが何なのか尋ねる。


「国王様、この袋の中には何が入っているのですか?」


「お金だ。これから、必要になるだろう……持っていきなさい! といっても、そなたはどうせ断るのだろうがな……」


「はい、頂くことは出来ません!」


 すると国王は、考えがまとまったのかカイル達に話す。


「では、こうしよう。あらゆる場所を巡るという目的の中で、問題を解決することが出来れば、それに応じて報酬として渡そう。他の国の状況とはいえ、問題解決は結果として、我々アルメスク王国においても大きな意味を持つからな!」


「そういうことでしたら……分かりました!」


 結果として、上手くバトラ王に誘導された印象もあるが、結果に応じて受け取ることが決まった。

 バトラ王は、とりあえずこれだけ持っていきなさいと話す。

 しかし、3人で旅をするには十分すぎるくらいの金額だった。


「これは、今日の出来事に対しての礼も含まれている。それに、あまり大きな声で話せないが、ミーナが心配でな……」


 バトラ王も、一人の親なんだと実感する。

 ミーナ王女を思う気持ちで溢れている。


 カイルは、お金を詰め替えた袋を大切に鞄にしまう。

 そして、また礼を言った。


 ここで、少しお金についての説明をする。

 お金は価値を表すものである。

 様々なものを提供することが出来る。


 紙幣や硬貨の中でも、それぞれ種類がある。

 紙幣が1万スマ、5000スマ、1000スマの3種類。

 硬貨が500スマ、100スマ、50スマ、10スマ、5スマ、1スマの6種類。


 この世界の通貨の単位は、「スマ」である。

 (単位が変わっただけと思ってください。)


「今日は、もう疲れたであろう……城でゆっくり休んで、明日旅立てば良い!」


「ありがとうございます!失礼します。」

 

 カイルと、タイロンは改めてお礼を言う。 

 ミーナ王女は、バトラ王とまだ話をするみたいだ。 


 兵が先導する。

 階段を下ると、王女と会った場所に戻ってきた。


「こちらが、来賓用の客間となっております。どうぞ、ごゆっくりなさって下さい」


「あの……向かいにあるお部屋は?」


「あちらは、ミーナ王女のお部屋でございます。」 


「そっか……だからあの時、僕達が城に来たのが分かったのか……」


 案内してくれた兵は戻っていった。


「あー 疲れたな。 カイルは、どうだ?」


「僕も疲れたよ…… 今日は、もう寝ようか?」


「あぁ、そうしよう。」


 それぞれ用意されたベッドに入ると、すぐに眠りについた2人であった。

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