第18話 2人目


「国王様のご意見ですが、承知いたしました。これから、あらゆる場所を巡り他の国の状況を把握して参ります。」


 カイルの言葉を聞いて、バトラ王は嬉しそうな顔をした。

 そして、話を続ける。


「そなたたちに、王国の剣に関する褒美をやりたいと思っているのだか、何か欲しいものはあるか?」


 カイルは少し考えると、バトラ王の質問に答える。


「何もありません……何か頂くために、行動したわけではありませんし、特別な事をしたとは、思っていません!」


「素晴らしい考えだ。」


 すると、傍でやり取りを見ていたミーナ王女が話す。


「では私を、あなた方の旅に連れていってはくれませんか?」


 想像もしていなかった言葉を聞いて、カイルとタイロンは驚く。

 ミーナ王女は本気のようだ。


「どうして僕達なんかと? それに旅とはいったい、どういうことなのですか?」


「前から、私は外の世界を自分の目で見てみたいと思っていたのです。しかし、私は王国の人間です。一人で旅をすることや、他の方と旅をすることは決して許して貰えないでしょう。そんな時に、あなた方が現れた……あなた方は、先ほども怪しげな男を倒してくれました!」


 カイルは、慌てた様子で答える。


「待ってください。僕達は、初めて戦ったのです……これから先、何が起こるか分からない中で、王女様を危険な目に遭わせることなど、あってはなりません。」


「その、正直な所ですよ! 褒美に関しても、きっぱりと断る方はいません。それに、私がお願いしたのにも関わらず、迷惑に思うどころか、心配をしてくださった……」


 カイルは、国王の顔を見る。

 バトラ王に話す。


「国王様は、どのようなお考えなのでしょうか?」


「うむ。ミーナが外の世界に興味を抱いているのは、知っていた。知識や経験を積むというのは、素晴らしき事だと思う。だが、それは信頼出来る仲間がいて、初めて成立する事だ。カイルとタイロンよ、ぜひミーナの夢を叶えてやってほしい!」


 意外にも国王の許しが出た。

 ミーナ王女は喜んでいる。


「分かりました。そこまでの考えを持たれているのであれば、断ることは出来ません。僕達でければ一緒に旅をしましょう!」


「ありがとうございます! 私も足手まといにならないように、頑張ります!」


 カイルに2人目の仲間が出来た。

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