第15話 墓地ダンジョン攻略中
それから2人は2階層の攻略へと乗り出した。2階層の様子にはパッと見ではそこまで大きな違いはなく、再び地図の作成の為に歩き回ってみたところ、出てくるモンスターに違いはなく、強いて挙げればレベルが1つあがったという程度の違いだった。
また、中央に湖はなく、代わりに大きな薄気味の悪い竹林が広がっていた。
「明らかにこの竹林に何かいるよね」
「う、うん、多分…」
「それじゃあ、この中を探索しないといけないか」
「うん…。石碑の文字は読めなかったけど、多分また特定のモンスターを倒して得られるドロップ品なんじゃないかなって思う」
この竹林に入る手前のところで2人は石碑を見つけているのだが、案の定また読むことは叶わなかった。そのため、何か特定のモンスターを討伐すればまたドロップ品が手に入るのではないかと思い探索を始めたのだ。
竹林では、ゴーストというモンスターが頻繁に現れた。
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ゴースト
Lv.16
体力 50
魔力 80
気力 0
物理攻撃力 70
魔法攻撃力 70
物理防御力 0
魔法防御力 56
器用さ 0
素早さ 70
幸運 50
スキル
〈闇魔法〉Lv.3 〈吸収〉Lv.3 〈浮遊〉Lv.1 〈物理攻撃無効〉
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ゴーストは凛華がかなり不利な相手だった。凛華の刀でゴースト斬ろうと意識をすれば斬ることができたのだけれども、ダメージが入らなかったからである。物理攻撃無効が作用してしまってる以上、魔法攻撃でしかダメージしか入らない状態なので瑞希は〈無属性魔法〉、凛華は〈光魔法〉でしかダメージを与えられなかった。
そして、瑞希は魔法攻撃寄りのステータスをしているので連戦でなければ何とでもなるのだが、凛華は魔力がそこまで多くもなく、魔法攻撃力も高いわけではないので連戦でなくとも戦闘が苦しいのだ。
また、ゴーストを狩り続けても先ほどと同じような次の階層へと進む鍵となるものが出てこないのでストレスもたまって来ていた。
「あ~、もう~っ! 何で出てこないの!」
「り、凛ちゃん落ち着いて。怒ってもどうにもならないよ…?」
「そうだけど! どうしても何も出てこないの!?」
探索を始めて1時間、凛華は進まない攻略に苛立ちをとうとう抑えられなくなり声を荒げた。
「もしかしたらドロップ品じゃないんじゃないかな…? まだこの竹林の全部を探索したわけじゃないし、どこかに何かあるかもしれないよ?」
凛華は瑞希の言葉にう~っと唸りながらも肯定を示して周囲の探索に力を入れることにした。
そして、探索を進めていくとゴーストの出現頻度が高い方向が分かった。そのため、その方向に何かあるのではないかと思い至り、頻繁に出て来るゴーストを押し退けて進むと、どこかで聞いたことがあるような、1本の光る竹がそこにあった。
「この竹を割ったら女の子でも出て来るのかな?」
あまりにも絵本などで見たことがあるような光景だったので、凛華はふざけてそのように問いかけてきた。
「でも、これを割ればいいってことだよね?」
「多分そうなんじゃないかな。さすがにこれだけ光ってるし、ゴーストも出てきたし、何かあってもいいと思うよ」
瑞希も割ることに反対をしなかったので凛華が刀で竹を一刀両断すると、中から女の子が…、ということはなく光り輝く白い球が出てきた。凛華がその球を手に取ると光は治まったが、瑞希の鑑定の結果でも2階層の攻略の証と出てきたのでようやく次の階層へと進むことができそうだった。
「それにしてもさ、あの石碑の文字は何とかならないのかな?」
3階層の地図梅の作業をしていると凛華はそうぼやき始めた。
「私も読めたらいいなって思うけど、見たことがない文字だし、スマホも使えないから検索にかけることもできないし、どうしても難しいんじゃないかな…」
「そうだけど、こうもヒントがないと探索が大変なんだけど! 1階層が討伐だったから2階層も討伐だと思うじゃん? それが探索を始めたら実は隠されたものを探すことになっているみたいだし、何をしていいかわからないまま証を探すのは大変だよ」
瑞希としてはなんとかフォローしたいと思うところだったが、読むことができない物であった上にスキル承継を使って何か読むヒントが得られないかと思ったが、特にできることはなかったので瑞希としてもこれについてはお手上げだった。
「と、とりあえず石碑を探そう…?」
「……うん」
凛華もどこか納得がいっていない様子ではあったが、石碑が攻略の鍵を握っていることに変わりはないと思い、探索を続けた。
そして、今回の不思議な文字の刻まれた石碑も中央にあったのだが、今までとは異なって湖や竹林のような特別なエリアがあるわけでもなく、周囲の様子は特に変わったところがなく、ヒントが何もない状態のように思われた。
「どうする?」
「う~ん、とりあえず、もしかしたら今の地図埋めで見落としているところがあるのかもしれないし、もう一回この階層を見て回ってみるのがいいと思う」
瑞希の提案を凛華も受け入れて、2人で3階層の探索を進めたのだが、この階層では今までよりもモンスターの出て来る頻度が高い以外は変わりがなく、細かいところを覗けば見落としがないように思われた。
「う~ん、特に何もなかったよね…?」
「多分ね。やっぱりモンスターが多い以外に違いはないと思う」
「そうだよね…、そしたらそのモンスターが多いことが手掛かりなのかな…?」
「と、言うと?」
「今まであった階層の攻略の手がかりはあからさまだったでしょう? 湖の狼男や竹林の光る竹、そう考えるとこの階層ではもしかしたらどれかのモンスターを何体倒せ、とか、どれかのモンスターが持っている攻略の証を手に入れる、とかそういうのが考えられると思う」
「なるほどね~。それなら、見つけたモンスターを手あたり次第倒していこっか。そうすればわかることだよね」
2人の間でやることが決まると、現れたモンスターを手あたり次第倒し続けた。もちろん、魔力や体力の回復のために途中で休憩を挟むこともあったが、それでも、正午になるまで2人はモンスターを狩り続けた。
そして、休憩のために〈個人空間〉に入った2人は討伐したモンスターの数をドロップした魔石を使って数えてみた。
すると、
・ゾンビ 97体
・スケルトン 156体
・コウモリ 80体
・烏 88体
・ゴースト 25体
という数が出ており、高頻度で襲われていることは確かだった。また、この階層でもゴーストは時々出てきたが、そこまで多くはなく、最も多いスケルトンは100体以上倒しているにもかかわらず何もダンジョン内に変化は起こっていないので、スケルトンの数は関係がなさそうだった。
「とりあえずキリがいい100体まで全部倒してみる?」
「うん、そうしようか」
「まぁ100体倒してもダメならまた考えればいいよね」
「うん、それにこれだけ倒し続けたからレベルもかなり上がってるよ?」
瑞希は鑑定の結果を凛華に伝えた。
――――――――――
名前:黛 瑞希
性別:女
年齢:15歳
状態:疲労
Lv.17 7UP
Runk.1
体力 104/104 29UP
魔力 90/101 32UP
気力 67/67 27UP
物理攻撃力 53 17UP
魔法攻撃力 76 24UP
物理防御力 55 17UP
魔法防御力 71 25UP
器用さ 56 18UP
素早さ 62 23UP
幸運 78
ギフト:『思い出』
スキル
〈武術〉Lv.3 〈逃げ足〉Lv.1 〈根性〉Lv.1 〈剣術〉Lv.3 〈予測〉Lv.3 〈地図作成〉Lv.5 〈鑑定〉Lv.6 〈魔力操作〉Lv.4 〈魔力譲渡〉Lv.2 〈魔力支配〉Lv.1 〈気力操作〉Lv.1 〈気力譲渡〉Lv.1 〈気力支配〉Lv.1 〈無属性魔法〉Lv.5 〈偽装〉Lv.2 〈料理〉Lv.1 〈農業〉Lv.1
ユニークスキル
〈個人空間〉
称号
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――――――――――
名前:武藤 凛華
年齢:15歳
性別:女
状態:疲労
Lv.16 6UP
Runk.1
体力 106/106 29UP
魔力 57/57 16UP
気力 89/89 29UP
物理攻撃力 77 24UP
魔法攻撃力 46 16UP
物理防御力 64 20UP
魔法防御力 56 16UP
器用さ 59 27UP
素早さ 66 22UP
幸運 92
ギフト『侍』
スキル
〈刀〉Lv.4 〈歩法〉Lv.3 〈集中〉Lv.3 〈気配察知〉Lv.4 〈見切り〉Lv.1 〈光魔法〉Lv.6 〈隠密〉Lv.2 〈魔力操作〉Lv.2 〈気力操作〉Lv.2
称号
――――――――――
レベルやスキルも全体的に上がっており、瑞希の地図作成はスキルレベルの上昇によって地図の作成を片手間にでも行えるようになっていた。また、魔力操作の上昇に伴って消費魔力が軽減されたり、威力も上昇したりしているので、後半になれば光魔法や無属性魔法でモンスターの討伐が行えていた。
「全体的に強化されたって感じだけど新しいスキルはなさそうだね」
「今までの行動を繰り返していたからじゃないかな? 私たちは探索と同時にモンスターの討伐をしていたとはいえ、新しいことは何もしていなかったしね。スキルもやっぱり今までとは違う行動をすればそれに見合ったものが手に入りやすいと思うし、何よりも自分に合ったスキルじゃなきゃ発現もしないからね」
2人でレベルが上がったスキルで何ができるようになったかを確認して、お昼ご飯を食べながら休憩を挟むと午後の討伐に出かけた。
※使えるようになった魔法一覧
〈無属性魔法〉… Lv.1 マナボール
マナシールド
Lv.2 マナアロー
シールド
Lv.3 マナナイフ
スピードブースト
Lv.4 マナウォール
テクニックブースト
Lv.5 マナランス
マジックディフェンスブースト
〈光魔法〉… Lv.1 ライトボール
ヒール
Lv.2 ライトアロー
キュア
Lv.3 ライトナイフ
リカバー
Lv.4 ライトウォール
ディスリープ
Lv.5 ライトランス
リジェネ
Lv.6 ライトウィップ
ハイヒール
2人がモンスターを探して討伐を始めて1時間が経った頃に100体目のゾンビの討伐を終えた。すると、100体目を討伐した時のドロップ品に『ゾンビの捧げ石』というアイテムがあった。
「これでこの階層も終わりだ~…」
凛華は瑞希の鑑定の結果を聞く前にそう言ったが、瑞希の鑑定でも予想通りこの階層の討伐の証として出現したアイテムだった。
「確認したけど、そうみたいだね」
「それじゃあ早く石碑のところに行こう? しばらく身を潜めるって言ってもこうも探索が進まないともどかしくてたまらないからね」
凛華がこのように言うが瑞希はもっとのんびり腰を据えて探索を進めてもいいと思っているので同意はしかねたが、早く進みたそうにしている親友を無視するつもりはないので、「そうだね」と、口ではは同意を示して一緒に石碑へと向かった。
石碑に向かうと今までと同じように、石と石碑が共鳴して強く光り、地響きと共に次の階層へと進む階段が現れて4階層へと乗り出した。
そして、4階層ではスケルトンを100体、5階層ではコウモリを100体、6階層では烏を100体倒すことが攻略方法だった。
彼女たちは2日かけて7階層まで進んだ。また、2人は設定を変えておこうと話していた時間の設定を変えるのを忘れていたので、時間の経過については個人空間の外と中で差が生まれてしまい、家族への連絡をする際に、久しぶりに感じてしまうことがあったので、この感覚に慣れるか時間の設定を変えるのを忘れないようにしなければいけないと思っていた。
時間の設定を最初は変えるのを忘れないようにと思っていたのだが、途中からは変えない方がゆっくりと休めるという気がして変えるのが憚られていたのだ。
「あ、そういえば…」
「どうしたの、瑞希?」
「ダンジョンに意識が向きすぎていたし、ここに来たらご飯を食べて寝るだけだったけど、拡張できるようなぁって」
「あ」
2人は2日経ってようやく個人空間の拡張について思い出した。
「今しちゃう? それとも、攻略が終わってからする?」
「う~ん、それも気になるところだけど、ここまで来たらダンジョンの攻略を終えてから拡張しない? 終わりがどこまでかわからないけど、攻略が本格的に行き詰ってからこっちをしたい」
「わかった、そうするね」
2人は個人空間を弄るのをあとにすることを決めると、8階層と9階層の攻略を終えた。
ちなみに、8階層ではゴーストを、9階層では狼男をそれぞれ100体倒すことだった。それから2人は10階層へと足を運ぶが、10階層では入った段階でどこを目指すべきかというのが容易にわかった。
「…ゴールはあそこかな?」
「そうじゃない? だってあからさまにここに来なさいって感じじゃん」
2人がこう話すのはおそらく中央だと思われるところに大きな館があるからだ。今いる場所がダンジョンのどのあたりに当たるかわからないが、ダンジョンの壁も近いということからも端の方であるにもかかわらず視界に映るほどの大きさの館だったので、そこを目指すことはもちろんだが、先に周囲の探索をすべきということで館以外のところの探索を進めた。
探索を進めていると、館の周りは鉄柵で囲まれていることに気づき、中に入るには門をくぐる必要があるのだが、どうやら門の鍵を探す必要があるということが分かった。
「鍵はどのあたりにありそう?」
「う~ん、地図的には北西か北東が怪しいかな。あそこはお墓があるだけだったけど、何かありそう。入口が私たちの来た南側にあるでしょう? そういう鍵なら多分門から遠いところにあるんじゃないかなって思う」
「なるほど…、それなら今近い北西側から先に確認しに行こうか」
2人は館の裏側に回り込むように北西にある墓に向かうのだった。
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