第28話

「じゃあ、俺たちはどうすればいいんだ。」

「さっきのガラスのようにヒビを入るのを覚悟するかやめるかだ。」

「やるさ。 仕方ない。 破滅するのだけは絶対いやだからな。」

「うむ。 確認からだ。」

 ジョン博士は端末をさわる。

 画面からいろいろと情報が出る。

 破滅するのは2ヶ月遅れることになった。 2099年の11月に変わった。

 いいニュースだ。 喜んでいいのか悲しいんでいいのか。

 とにかく進むしかない。 

 俺はまた破滅の瞬間に向き合うことを提案した。

 ジョン博士は反対した。

 最初に言った。 戻ってきても精神の崩壊がありうるかもしれないし、意識だけが向こうに残る可能性もある。

 最悪、意識は戻らない可能性はある。

 そんなため反対したのだ。

 もちろん、怖さはあったがやるしかないのだ。

 台で横になる。 目を閉じるだけ。

 目を開ければ、別の世界だ。

 またこの場所だ。

 店に入る。 人がいない。

 ロボットに尋ねる。

「今日は人がいないが、どうしたんだ?」

「お客様、知らないのですか。 破滅するんです。 我々、ロボットには感情なんてないので関係ないこと。 働くだけです。」

「そうかい。 どうなるんだろうな。」

 ロボットは黙っている。 答えられないんだろう。

 情報がないのだろう。

 炭酸水の泡をながめる。 小さな泡がぷつぷつと上がっている。

 炭酸水を一口飲む。

 ほんのりレモン味がする。

 窓から外を眺める。

 時計は午前の11時だ。 街は人ひとりいない。

 みんな、怯えて地下シェルターにいるだろうか。 それとも、誰かと過ごしているのだろうか。

 考えているうちに大きな音がする。

 カメラを出して、ズームする。 向けた方向に音も拾ってくれるものだ。

 爆発しているようだ。

 どんどんこっちに向かってきている。

 今度は逃げない。

 見なければ。 手足が焼ける。

 痛みは感じない。

 一瞬の出来事だ。

 

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