第27話

 未来を変えたことによって人が消えた。

 身近な人だ。 なんということだろうか。

 これ以上、未来を変えれば何が変わるというのだろうか。

 俺は迷いが出てきていた。

 2100年が終わるのはいやだ。

 だが、途中でやっている行動がこうやっていやな方に変わっていたりする。

 それが怖い。

 今ならジョン博士を消そうとしていた俺の行動は理解できる。

 なってもおかしくないだろう。

 だが、なるわけにはいかない。

「大丈夫かね?」 ジョン博士は顔をのぞきこむ。

「大丈夫なわけがない。 人が消えたんだ。」

「そうだよな。 記憶だけが自分らに残るのか。 ん? 自分らだけか… 関わっていない人は覚えていないだろうか。」

「覚えていない。」

「君は体験したのか?」

 俺はボムを破壊したことを話した。

「なるほど。 関わった人だけが覚えている。 君に記憶にねじれはないかね?」

「今のところはない。」

「本当にかね?」 ジョン博士は眉をひそめる。

「あんたは何を心配している。」

「自分は君はねじれた記憶を持っているとおもう。 君が地下室に入ってからの記憶を全部話すんだ。」

 俺はめんどくさかったが、最初から今話しているところまで話す。

 ジョン博士は真面目に耳を傾ける。

「ふむ。 ねじれているじゃないか。 自分がロッキーだったときの世界が存在していた。今はジョンという名前なのにだ。 これがねじれだ。 ボムという名は初耳だ。 聞いたことがない。 君が消したんだ。 消したことによってねじれた。」

「元には戻らないのか。」

 ジョン博士はガラスを持ってくる。 割れていない状態だ。

 いきなり、ガラスを割る。

「何をするんだ。」

「今のようにカラスは割れた。 元に戻るかね? いや、戻らない。 君は世界にビビを入れた。 我々も同じだ。 これが世界だ。 どこか戻そうとした結果がこれだ。 ロッキー博士は消えた。」

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