第17話

「最後に訊く? なぜ殺した? 殺さない選択もあったはずだ。」

「あの時は… とにかく危険を感じたの。 過去に似たような人間を知っているから。 今でも正しい判断なのか分からないわ。」

「君は一体、なんの職についていたんだ。」

「警官よ。 プロファイリングは完璧にAIがやってくれるし、場所は予測してくれるのよ。 といっても、100%ではないわ。 はずれることはあったわ。 似たような人間はね、人質をとっていたの。 5歳くらいの子供よ。 AIは選択肢を与えた。 私の腕からは犯人を頭を撃ち抜く確率は低かった。 犯人の要求をのみ、人質を解放させること。 私はそれは正しいことだと思うわ。 だけどね、犯人は正常な状態ではなかった。 AIには感情はおしはかれない。 焦った私は要求をのむふりをして、人質を解放させた後に足を撃ち抜いた。 結果は犯人は捕まった。」

「AIの選択をしなかったんだ。」

「それは過去に似たような事件を起こして、逃げていたの。 犯人は人質を慈悲なく殺して逃げていた。 だから、AIを信じなかった。」

「よくわかったよ。 たしかにおしはかれない部分だ。 君の判断は正しいのかもしれない。 だけど、人を殺していいことにはならない。」

「分かってる。 私は汚い人間よ。 これだけは信じて。 あなたを殺しはしない。」

「何だ? ジョークか。 似合わない。」

 アンはふっと小さく笑う。

 アンは確かに許されないことをしたかもしれない。 だけど、どこか共感できる部分はあった。

 俺ももしかしたらあの立場なら、同じ選択をしていたかもしれない。

 廃墟はキレイになっている。 工作員はちゃんと仕事をしている。

 腕時計から情報をみた。

 当時の場面を再現することが可能だ。

 この技術は警察にも使われている。

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