第5話 錆びえた日常
駅の改札口だったこともあるのか、進也が刺されたことがテレビニュースでで流れてきた。すぐに犯人が捕まったことあった。ただ、進也と面識なく、雇われて殺したと供述しているらしい。その雇った人物が誰かをメディアが詮索し始めた。それが明日香ではないかと疑われていた。
会社から連絡がきた。本日付けで、退職してほしいと言われた。反論する気力もなく、事実上の解雇になってしまった。
妊娠を確認するために、すぐにでも病院に行きたいが、行動に移すことができないていない。外にいる報道陣に対して、どういう態度を取ればいいのか分からず、家から出ることさえできない。
そんな日が2日間続いた。ただ、その報道陣らしい人たちがいなくなった。いなくなったのは理由が、雇った人物が捕まったからだ。それは進也の奥さんだった。
テレビのニュースでは、浮気が許せなかったことが動機ではないのかと言いたい放題にコメンテーターが話して、SNSでは、奥さんへや私への誹謗中傷の言葉が並んでいる。見なくていいのだろう。でも、見てしまう。
明日香は気分を変えるため、外に出ることにした。1階のポストの前を通ると、『お前が悪い』『最低』『人殺し』などが書かれた紙が大量に入っていた。
「用がないなら、どいてくれない」
後ろから声が聞こえた。少し茫然としゃがみ込んでいたことに気づいて、声の方向に顔を上げると女性の姿があった。
「そこに居られると、ポストの手紙取れないのようね」
「すみません」
立ち上がり、その場を離れるように、また自分の部屋に戻ることにした。
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