第4話 重症

 救急車がサイレンの音を周囲に響き渡らせて、やって来て停車した。救急車から何人か降りて、野次馬の群れをかき分けて、「通してください」と救急救命士が進んでいく。

 何らかの処置をして、担架に乗せられ誰かが運ばれて行くのが見えた。その際、担架の足先の方に、さっきまで進也が持っていた鞄が見えた。

 救急車の方に走り寄ろうと必死になって行こうとするが、野次馬で近づけず。そのまま、救急車は走り去って行った。

改札口付近にはブルーシートが覆われて、中の様子は見えなくなっていた。

 これ以上何もできず、途方にくれて、家に帰ることにした。帰り道に途中で、スマホが鳴り、進也の文字が点滅する。刺されたのは進也ではなかっただと喜びをかみしめて、「進也、どうしたの?」とスマホの向こう側に問いかけた。「こちら警察です」進也ではない男性の声に唖然とした。

 やはり、進也が刺されたらしく、重傷を負っているとのことだった。現在、進也のスマホの履歴にある人々に連絡をしているらしい。そこで、今から話を聞きたいので家に伺いたいと言われて、夜遅いに、家に男女ペアの警察がやって来た。女性の警察官がいてくれた助かった。警察には、進也とは食事をしただけと話し、関係性も聞かれ、「恋人」と返答した。警察も進也が既婚者であることは知っているだろうが、詮索されるようなことは聞いてこなかった。警察は帰り際、進也が亡くなったことを伝えらた。そして、刺したと思われる男が捕まったことも教えてくれた。また何かあったら連絡するとのことで、帰って行った。


 

 

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