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2人は舟堀の街から離れ、近くの村に向かった。その村は川沿いに位置し、南へ行くか東へ行くか道が分岐しているため、拠点として適した場所にあった。
村の中は予想以上に賑わっており、おそらく舟堀の街に入れず足止めされた人々が集まっているのだろう。
2人は村の宿屋を借り、そこでこれからの作戦を練ることにした。
「参ったわね。あの街を越えないとリフィリア王国に行けないわ」
リフィリア王国へ向かうには、舟堀の街を通り抜けて川を渡らなければならない。その川に架かる橋は舟堀の街にしかなく、他に通行可能な橋があっても遠回りになり、時間がかかるのが難点だった。また、川を泳いで渡ることもできるが、危険なモンスターが潜んでいるため、初級職の冒険者には薦められない手段だった。
村の中では、一部の人々が街を取り戻すために戦うことを計画しているらしい。ギルドからも既に依頼が出されているようだ。
「ギルドが依頼を出しているなら、私たちにも解決するチャンスがあるわね」
「けど、どうやって街の中に入る?あれじゃ四方を壁で囲まれてるみたいだぞ」
「そうね。それに、中の戦力がどれくらいあるのかも気になるわ。リフィリア王国みたいな大きな国が近くにあるのに、こんな無茶なことをしているんだから、相当な実力者が中にいる可能性が高いわね」
確かに、ルイーザの言うとおりだった。リフィリア王国にはギルドがあり、実力者が多く集まっているとルイーザから聞いている。それでも王国側が手を出せていない状況を考えると、敵は手ごわい相手だと思った方がよさそうだった。
「やれやれ、手詰まりか」
「こんなことなら、さっきの2人を倒して強引に中に入れば良かったかしら?」
「待て、ルイーザ。それは今すぐやる手段じゃないよ。まさか、ワッフルに突撃させて壁を壊そうとか考えてるんじゃないだろうね?」
「あ、それもいいわね。その発想は無かったわ」
しまった。ルイーザの頭に余計な案を与えてしまったかもしれない。ともあれ、それはあくまで最終手段にするべきだろう。
「どんな手段をとるにせよ、まずは情報集めが先だよ。とりあえず、もう一度、舟堀の街に行ってみようか」
「街に行くの?」
「壁を突破するには、まずあの壁について知らないと。直接見て調べれば、何かいい攻略方法が思いつくかもしれないだろう?」
「そうね、確かに情報収集は基本だものね。よし、行ってみましょう!」
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