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お優しいお嬢様には かけようお言葉がなく
寧ろ そのお優しさがあだとなって
憎悪にかわっておしまいになったのです
一度許した心の隙は とめどもなく
善からぬ方へとひたすら向かうばかりで
お嬢様に捧げた忠誠心さえ捨てしまわれた
執事は ある企てを建てたのでございます
短い時間で できる限り 権限を利用して
旦那様の数ある領地の名義を 書き換えたです
勿論 ご自分のお名前に
そして その日のうちに姿をくらましておしまいに
誰も 領地を奪われたなど思いもよらぬ間に
気が付いたのが 奥様の散財の請求書が届いてのこと
しかし 既に遅く 支払いは困窮し
それを見計らって 執事が肩代わりの申出にやって参りました
たいそれたことにございます
恐れ多いことに 代わりとして お嬢様をくれと
勿論 奥様は全く聞く耳は持ちませんでしたけれども
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