41頁
お嬢様は 妖精達が舞うような美しい筆で
これまでの献身的な忠誠へには お礼を
奥様のご無礼に対しては 謝罪を認め
反して奥様 反省するどころか 益々いきり立ち
更に 罵倒の数々を浴びせたのでございます
貴婦人に有るまじき言葉まで吐き捨てて
当の執事は 奥様に謝罪と生活を改めるお心があれば
退職金だけ頂いて 全部 返す気になっていましたものを
しかし 更に へそを曲げておしまいになられたのです
散財をお辞めになって 普通にお暮らしになられたなら
工場などの権利だけでも 充分やっていけますものを
奥様は 益々 意固地になってしまわれたのです
悪いこととは続くものでございます
一端 転がり出した坂道は
どこまでも 転げ落ちて行くものなのですね
奥様は 遂には借金をしてしまわれました
こともあろうに あの悪名高き金貸から
そして 以前にも増して 豪勢に振舞われたのでございます
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます