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お嬢様の 再び咲かそうとなさるお心を
誰が 止められましょうや
誰が 変えられましょうや
雲の風は 一片の花弁をかすりもできずに吹き去るのです
降る雨は 一株の花に到達もできずに逸れるのです
行く川の水は 一輪の花に留まりもできずに行くのです
遠い記憶を呼び起こす たなびく黒髪
閉じておしまいな 愛の言葉を囁き
鎮めてしおしまいな 種火を燻って
時間を超えて
哀しみを超えて
お互いのためのみに存在しうる魂だけが
たった 一株の 一輪の 一片の花弁を揺すって
偲ばした思いを 目覚めさせるのです
揺らぐことのない永遠の愛を
なのに悪魔は 人に何を忍ばすのでしょう
忠誠心には 裏切りを
豊さには 浪費を
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