第58話

「ここは…龍を封印したといわれているフィトリーゼとシュトリーゼが納めていた頃の神殿ですね」


「分かるのか?アナスタシア」


「えぇ…忌々しいことに龍達の記憶を見せられて知っているからね。ティナは…あ、いやこれは本人に直接聞くといい」



「…まさか!龍達と会ったことあるのか!?」

『…』


「ティナ。言いたいことを押し殺して誰にも告げぬのは貴方の悪い癖ですよ」


『龍達とは夢の中で会話をしていた。逃れられない運命の事もずっと聞かされてきた』


「お前何で…今まで…」

ティナは悲しそうに笑うと紙に書きだした


『今まで黙っててごめんなさい。でもユノに話したところでどうすることもできなかった。』




そう…言葉に出して誰かに頼ろうともせず助けを呼ぶことさえしなかった結果が今こうして言葉を奪われても自業自得なのだと私は思った



『だから…』




書く手を止められユノに抱きしめられた




「もういい。もういいから…それ以上は何も言わなくていい」



「だって…言葉にしなきゃって思っ…て」



「ティナ!!?声が」




「ここは夢の世界であることをお忘れですか?おそらく、ティナには呪いをユノに黙っていたことへの罪悪感があってそれが声を奪う原因だったのではないだろうか?そしていまティナはそれを話した」



確かに…アナの言う事に一理ある




「…これが儀式…なのだろうか?」


「いいやちがうだろう。ティナが声を失う原因となったのはあくまでティナの問題だ。こっちの問題はまだ解決していない」



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