閑話2
アナスタシアの試練1
ティナである私が彼女の亡き後アナスタシアになって数か月経とうとした時だった
かつてアナスタシアにも表れた呪いのような紋様が私の体にも表れた
呪いの解き方は本の通りならば東と西の泉を目指さなければいけない
そこで試練を行い、正しい手順で薬を生成する必要があった
「クロード、すぐに東と西の泉を目指します」
「…かしこまりました」
彼には目的も告げず、試練を受けるという事だけを伝えた
「…ここが東の国か…」
「その気配からして鬼族とお見受けします…。ここへは何用で?」
「ここの長のトーティは居るか?アナスタシアが試練を受けに来たと伝えてくれ」
「…分かりました」
しばらくしてガタイの大きい獣人の男が姿を現した
「トーティだ。お前がアナスタシア…?どこか様子が違うような…」
「…」
私が黙っているとトーティは口を開いた
「すまぬ、人払いを頼めるか?」
トーティと私そしてクロードのみがその場に残った
「これでよいじゃろ」
「助かるわ。私は妹のティナだったものです。姉亡きあと今はアナスタシアとして女王をしているわ」
「…なるほどな、それでか」
「トーティはここの守護者をして長いんですの?」
「あぁざっと15年は努めている」
「…ふふっではそんなベテランの方とお手合わせできるんですね」
私がポンと手を叩くと無数の武器が出てきた
「血の気の多いところはアナスタシアにそっくりだな」
覇気を纏い獅子のごとくたたずまいに嗚咽が漏れた
「では、両者の立ち合いを行います」
クロードの号令で二人の戦いが始まった
三日三晩に及ぶ戦いの決着はアナスタシアの勝利で終わった
「やるじゃねえか」
「そちらこそ…」
「だが負けは負けだ水と証だ持っていけ」
そう言って水と証を手渡した
「ではまた会いに来ますね」
「あぁ。そうしてくれ」
だがこの会話を最後に二人の再会は果たされることはなかった
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