第26話
「思いのほか早いかと思ったら随分とボロボロじゃないか…」
エルフ族の長ニーチェがクロードと共に待ち構えていた
「あぁ、試練には打ち勝ってきた」
「あぁ、そのようじゃな。では聞かせてもらおう。お主はどのような選択をしたのかを」
「…俺はティナを見捨てないでここまで担いできた、ここについた途端消えたが」
「お見事、ここは幻は生み出せない空間ゆえ、幻は存在できないのじゃ」
「お前は…俺にティナを見捨てさせようとしたのか?」
「そうじゃ。じゃがその選択をしなかったのもまたお主じゃろ」
「当たり前だ!幻とはいえあれは間違いなくティナだった!」
「じゃろうな、今のおぬしたちの絆を元にして彼女に呼びかけ幻を生み出したのじゃから」
「…今ティナは…?」
「再び眠ったのじゃろう。しかしあの娘の選んだ男が、どんな冷酷な奴かと期待しておったのにまるで正反対ではないか」
「その口振りだと、ティナに会ったことのあるようないい方だな?」
「会ったもなにもわらわが最初に試練をしたのはアナスタシアになったばかりの娘じゃからな」
「ティナがここにも来ていた?ていうか試練って一体なぜ?」
「お主がここに来たのは何故じゃ?」
「ティナの呪いを解くための泉の水をもらいにきた」
ティナは東と西の試練のことを知っていた。
まさか!?
「それで、そのティナが試練を受けていないはずがないじゃろ?」
それで東の守護者の先代の名を出した?
「彼女はすでに試練を受けていて、泉の水を持ち帰ったが効果がなかった?」
「四龍が存在する中での解呪は事実上不可能じゃった。そのことを確認するために試練をしたんじゃ」
ちなみにと続けてニーチェは話をつづけた
「彼女が試練を受けた時、アナスタシアの幻を出したんじゃが…。迷うことなく切り捨ておったぞ」
「なっ!?」
あのティナが大事な姉であるアナスタシアを切り捨てた?
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