第23話

「にしても二日続けて試練に挑もうとは…相当ティナのことが好いておるのじゃな」



「なっなっ!?何で知って…」


「言っておったじゃろうその式神は筒抜けだと」


みるみる顔を赤くさせたユノをからかう少女は奥の主に案内した


先ほどの少女が蝶に変化して空を舞った


「なっ!?あいつが守護者じゃないのか?」


「そんなわけあるまい、わらわの声を届けここへ案内した使いのものじゃ」


「ようこそユノ王子わらわが西の守護者ニーチェ=スピカじゃ」



「ニーチェ…それで試練とは…」



「うむ、ティナの容態が悪いと聞いてな。急ぎ足にはなるが、一先ずこの奥が泉じゃ」


ニーチェは後ろの細い雑木林を指さしていた


「お主にはその奥にたどり着けたら、泉の水を持って行ってよいことにする」



「…え?そんな簡単に…」



「簡単だと思うのならそれでもよい。わらわはここから動かん。何ならそこのお前とここにいてもよい」


クロードが俺の護衛だということを知っていたのだろう

彼女が残るというのならありがたく先へ進ませてもらう


「よろしいのですか?」


「構わぬ。」



「じゃあ俺はいくから」



そう言ってユノは雑木林に入っていった

「さて行きは良くても無事引き返せるかの」



「…迷いの森へ一人で帰ってこれる保証などないというのに本当に貴女は意地悪ですね」



「なに、彼が迷わなければいいだけのことだ。それに帰ってこれぬのにはちゃんとわけもあるさ」



「迷いの森…もとい、惑いの森…彼の心を揺さぶる幻を与えそれを試練とする。これも立派な試験じゃろ」






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