第16話

「ハァ…ハァ…ぐっ」

第一線を退け部屋に立てこもった俺は入り口のドアを物でふさいだ


正直この連中は鬼でも人でもない…


「吸血鬼が…どうして城へ…?」




「…ク…ど…こ」



苦しそうに俺の名を呼ぶティナは虚ろな目で俺を探していた


「お嬢さん!?」


俺が手を握ると安心したのか少しほほ笑んだ


「…よかっ…ケガしてない?」

「怪我をしても、傷はすぐ治ります。第一俺なんかよりお嬢さんの方が重傷じゃないですか」


「そう…だね」



呪いの紋章は首のあたりまで広がっていてもう一刻の猶予もないように感じた


「しっかりしてください。ユノ王子が帰られるまで…死んではいけない!」



「ねぇザク…お願いしてもいい?」


「俺にできることならなんなりと」




「少し…血を…下さらない?」



「…えっ?」


「ここにある血は少し薄いの…輸血じゃ間に合わない。」



俺は手首を切り、前にお譲さんからもらった時のように器に溜めたがそのままじゃお嬢さんも飲めないだろう



自分の口に含み血を飲ませた

「後でいくらでもお叱りは受けますから」


「ふふ…怒らないわよ…」



「…絶対に死なせないからな」


そう言ってまた血を飲ませ続けた



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