第13話
お嬢さんのただならぬ顔に黙って従った
「何もなければいいが」
だが、少し部屋の外を覗いただけでもわかる…彼女の言うように人の気配はする
「…っ!?」
少し顔を出すと何かが飛んできて僅かにかすった
「おいおい…マジか」
刃物に毒が塗られていたのか、少し視界が霞む
「…ザクっ!無事ですか!?」
俺の血の匂いに気づいたのだろう彼女が心配そうに近寄るが俺は手で静止する
「く、来るな!」
お嬢さんは素直に言う事を聞いてくれたが、何やら不満そうだ
「…むぅ」
連続で刃物が俺に向かってくる流石によけきれないか?
「…私が誰だかわかってないようね…」
そういい放つとお嬢さんの持っていた剣が現れ全て撃ち落とした
勝ち目はないと判断したのか人の気配は遠ざかっていた
「…っち。逃がしたか。お嬢さん無事か?」
「えぇ、それよりもザク。毒を受けたなら一旦部屋に下がりなさい。万全ではない態勢で戦闘を行うものじゃありません」
もっともらしいことを言っているがそれだけはお嬢さんには言われたくない
…とは口が裂けても言えない、その言葉をぐっとのみこんだ
「わかりました」
「待ってなさい。薬を塗りますから」
平然とお嬢さんの左手から薬箱が出現した
「ちょっちょっちょっ!?一体どこに持ってるんですか」
何を今更という顔をする。
「どこにって、私これでも呪術師よ?これくらいできなきゃ」
確かに武器などを隠し持っている話を聞いたことはあったが見たことはなかった
「ちなみに利き手には武器がしまってあるの覚えといて」
「…」
手慣れたように薬を塗りガーゼで傷口を抑えた
「ちょっと大げさじゃありませんか」
「ふふっ、これくらいしないといけませんよ。毒は侮ってはいけません」
お嬢さんの言う事には説得力がある、伊達に命を狙われ続けていない
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