第21・5話 運動会とその後
「あぁ....そこ.....」
「.......ここか。ここが気持ちいのか?」
「.......うん。.......んっ。」
別に俺達は運動会の優勝に貢献して盛り上がった勢いそのままに盛り上がっている訳では無い。
「はい終わり。他にマッサージしてほしい所あるか?」
「じゃあ、もうちょっと足お願いしていい?」
「分かった。」
「ところでさ、ビデオカメラで私の事撮ったでしょ。」
「.......なんで知ってるんだよ?」
「女の勘だよ。」
恐るべき女の勘。
何故、優衣がここまでビデオカメラが嫌いなのかなというと、小さい頃、優衣が運動会で1位を撮った映像を両親に何時間も連続で見させられたらしい。そのせいでビデオカメラで撮られるのが嫌になってしまったらしい。この話を聞いた時、俺は溺愛されてるなと言ったが、
「それは何時間も同じ映像を見させられてから言って!」
と言われてしまった。
「そういえば、母さん達から荷物が届いてたぞ。」
荷物の中には近況報告の手紙や色とりどりのマカロンなどのお土産などが入っていた。
「あっちも問題ないようで良かったね!」
「あっちはだろ。」
「でも、今のところ連が解決してくれてるじゃん!」
「ほんとに、せめて夏休みまでは何も無いことを祈るよ。」
「まさか、この時はあんな事件が起こるなんて2人は全く予想していなかった。」
「不吉なナレーションはやめてくれ。」
俺の親からの近況報告を見ると中に1枚の写真が入っていた。それは俺の両親と意外な人物のスリーショットだった。この人と何か繋がりがあるのか分からないが、手紙にも特にこの人物の事については触れられていないので今度帰って来た時に聞いてみるとするか。
「俺はそろそろ寝るぞ。」
「えー夜はこれからだよ!枕投げとかしよーよ!運動会の延長線だよ!」
「嫌だよ。眠いし。しかもどっちかというと修学旅行じゃねーか。」
「じゃあ、一緒の布団でねていい?」
「.......何もしないか?」
「普通、それは私のセリフなんだけどなー。」
布団の中は電気毛布のおかげで温まっていた。
「.......ねぇ、電源切って?」
「もうちょっと付けておかないか?」
「ううん。君の温もりを感じたいの。」
「.......強欲じゃないな、これは。」
「なんか言った?」
「別に。おやすみ。」
「うん。おやすみ~。」
すぐに寝息が聞こえてくる。
俺も目をつぶる。
色欲だよ。とは口が裂けても言えなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます