裁定者
1
「人というのは至極自分勝手で傲慢であり我儘だ。それは神という物に作られた存在であり、神が人に転じたからともいえる。だが、神は自らの分身をこの地に置くつもりは毛頭なかった。自分と同じ傲慢で我儘、己の欲望に忠実な存在など面倒なことになるのは目に見えていたし、なにより己と同じ存在が居ることは許されなかった。故に人には
冷ややかな表情で淡々と語り始める
だが
「神仏と同じく人には嫉妬や欲望がある。しかし、それを私利私欲で優先させぬよう
突然の
「何を言い出したのかと思えば、あたしが神になったから貴女は手出しができないと言いたかったの?」
少し震えながらも偉そうに言ってのける
「貴様が神に? 面白い冗談を言うな。久し振りに大声で笑った気がする」
「一体どういう事よ」
「貴様が神になったと誰がそんなことを言った。近い存在になったと言っただけだ。人はあくまで人、神が人に成ることは容易だが人は神に成れはしない、そんなものを神仏が作ると思うか? それに成れたところで大したものでもない。言っておくが神に近しい存在だと言ったのは褒めてないからな、どちらかと言えば馬鹿にしたんだ。知っているか? 動物よりも人よりも傲慢で愚かなのは神だ。つまり、貴様は神でもなければ人間でもない、この世界で最も愚かしい化け物になってしまっていると言っているんだ」
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