2
「そういえば、香の種類は? 決めているのか?」
「線香です。短寸の」
「よく勉強しているな。それじゃ、私は先に行って準備をしておく」
昼食を終え、
まだ
和室に入って
今回は線香だと言う事で
線香といっても中にはいろんな種類がある。大きく分けると二つ。
様々な香木や香料を使って香りを重視した「匂い線香」。
様々な香りを出すことはなく、杉の香りと煙が出ることを目的とした墓参りの際に良く使われる「杉線香」。
更に匂い線香はその形状によって呼び方が変わる。
棒状の線香、渦巻きの蚊取り線香のような渦巻き線香、竹ひごを使った竹ひご線香、円錐形のコーン型と呼ばれる線香。それらは全て火をつけることにより香りを発するものである。
そして棒状の線香は長さによっても種類があり、
使う香によって香炉や香炉灰も変わり、今回は短寸の線香ということで一番手軽なこの準備となった。
準備が終わり数日ぶりにやってきたこの場所に鼻から息を大きく吸い込んで唇からゆっくりと吐き出す。
ここは
正座をし、ゆっくりと呼吸をしていれば軽やかな足音が近づいて襖が開いた。
顔を出した
「なんだ、一本でいいのか? 同じ乳香でも香を作っている会社や乳香の産地によって香りが違うぞ」
「そうなんですか。でも、とりあえず今日はこれを」
赤く輝く先端から白い煙を上げ、天井に向かいながら煙は消え辺りに香りをたたせはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。