5
冗談やからかい好きな
床の間に掛け軸をかけ、その下で香を焚く。
香の香りが充満してくると
少々荒い息遣いになってきた
中に描かれている筆画の狼が香りと視線に促されるようにゆっくり動きはじめこちらの世界にやってきた。
「珍しい事もある物だ。お前が我を掛け軸から呼び出すとは」
白い巨体の真っ白な毛を揺らしながら
「この方が体力の消耗が無いからだよ。神降しは幾ら私でも後でかなりの疲労があるからな」
「何を言う、その為の龍穴であり温泉だろうが」
「日に何度も浸かるもんじゃないだろ? それに今日は
「それも珍しい。久方ぶりだな
「やっぱり
大きな銀色の息を
「して、我を呼び出し、二人がそろって何を話すと言うのだ」
「その前に、
「ふぅ、あの連中か。知らぬわけではないがあまりよい話を利かぬゆえ知らぬふりはしておる。もともと我や主様は反対だったのだ。アヤカシを狩る存在でありながら西洋にかぶれ錬金術とやらに傾倒した
「あら、知らないわけではないのね。ま、
じっとりとした視線を向けてくる
「
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