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「一回当たりの重量は二五キロまで、それ以上は壊れるから乗せるな。壊れた場合は給料を使って直してもらうから覚悟しておけ。当然その耐荷重だから人間が使うことは出来ない。それと操作はここのペダルで行う、赤がゴンドラを上にあげ、青がゴンドラを下げる。ここ以外では操作が出来ない。ゴンドラが麓に着いたら荷物をおろして、最寄りの宅配業者まで運べば配送業務は終了だ」
「おろしてって、麓に誰か居るんですか?」
「居るわけがないだろう。お前が下ろしに行くんだよ」
「えっ、僕?」
「他に誰が居る。麓には小屋がある。ゴンドラはその小屋に降りるようになっているから、お前は普通にあちらの山道を使って麓に降り、小屋に行ってゴンドラから荷物をおろして宅配業者まで運ぶんだ」
「結局、山登りはやるのか」
「当然だろう。はじめに言ったはずだ、トレーニングで体力をつけろと。此処では麓で何かをするには山登りは必須項目だ。他に分からないことは?」
「えっと、一応ないです」
「一応な。まぁ、分からなくなったらまた聞け。自分で勝手に何かしようとするなよ」
そうして合間を見て香の勉強を、さらに毎日の発送の為にさまざまな、商品である香に触れていると、全くの素人であった
ある日、作業を終えて麓から戻ってきた
「夕食の時にでも聞いてみようか……、でもなぁ」
そしてそれを行うときは必ず
香を試してみたいと思い立ったのは片付けに終わりが見えてきて、比較的ゆっくり出来るようになった時。もう少し待ってみれば言う機会が出来るかもしれないとずるずる先延ばしにして現在に至る。
「待っていても仕方ないのはわかっているんだけどなぁ、どうすればいいかなぁ。彼なら一体どうするだろう?」
そう勝手に口が呟いて、
「彼? 彼って……、誰のこと?」
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