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「人が作らなきゃ誰が作っているっていうのよ。そりゃね、今は大量に生産するためとかで機械が作ってくれるけど、元々機械の工程を人間がやっていたのよ。作れないわけ無いでしょ」
言われてみればその通りではあるのだが、なんだか馬鹿にされたようで気分を損ねていれば、
「
「ちょっと報告に来ただけだったんだけど、
「ほぉ、其れは其れはいい御身分だな。私も面白いものを見たくなってきた、今すぐ滅してやるから来い」
「……冗談がきっついわ~」
「そうか? 冗談じゃないからきつくはないだろう」
にこやかな
昼食を終え、梱包作業は空が赤く染まる間際に終わる。
数多くの香の中から注文の品を探しだすのに時間がかるため、
梱包した荷物を台車に乗せて持っていくるのは家の裏手。
初めてこの仕事を任された時に大量の梱包品を持ってふもとまで、あの山道を歩いていくのかと
「そんな面倒な事、日々やってられるわけがないだろう」
と言う。
それなら誰かあの山道を取りに来るのかと思って、
「そんな鬱陶しい事、日々やってくれる人が居るわけがないだろう」
と返された。そして、荷物を台車に乗せてついて来いと言われるままについて行けば、
「ここから下を見てみろ」
「あれはここに来る時に使った電車?」
「そう、ここはこの山で唯一町の方に面している部分。荷物はここから下に送る」
「まさか、此処から投げ落とすとか?」
「するわけがないだろう、客の荷物をそんな風に扱うやつに商売をする資格はない。そこの崖の際の地面にある赤いペダルを踏んでみろ」
錆びた見た目に反して抵抗なくすんなりと踏み込め、途端、あたりにサイレンが鳴り響く。
いったい何が起こるのかとビクビクする
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