百目鬼強襲
1
「一体どういう事なのか説明なさい。アスラ」
「先ほどから嫌というほど説明しておろう。
淡々とメイド服を着て、午後の紅茶を入れながら話すアスラに向かって
「なんとも
「誰がそうさせていると思っているのよ、アスラが余計な猶予を与えたりするからこうなったんでしょ! あの時薬でも何でも使ってさっさと契約させてればよかったのよ。雑魚神だとしても神の
「存じておる。だが、本人の意思無き契約は人道に反する。我はバルマの眷属であり法神であるゆえ非人道的な行いは出来ぬ。お嬢はそれを分かっていながら我を下したのであろう?」
「フン、ここまで融通の利かない奴だとは思わなかったのよ。アスラと言えば呪術にたけた悪神のはずだったんだもの。まさか根源が来るとは思わないでしょ」
「ならば
温かく香りのたった紅茶をソーサーに乗せて、ソファーで足を組み偉そうにふんぞり返っている
アスラは
他の木偶たちや初めの化身以外の者達が香木を体としているのに対し、初めの化身は自らの血肉、体の一部を使って出来上がった存在。
もし、初めの化身を消すというのであれば自ら命を絶たねばならない。その代り自らの命がある限り初めの化身が消滅することはない。
もちろん本物の神仏を下しているわけではない。
かつて錬金術と呼ばれた術の中で人工生命を作り出す秘術があった。
相応の力を有した作られた神仏は、使役者がその命をなくすまで護り戦い続ける。
また、術者であるそれを作り上げた人間と作られた神仏との間は常に対等であり、化身は己の性質を持ったまま主と共に成長する。
アスラは本来持っている天空と司法の基礎をもとに、
だが、初めの化身の為破壊することも消滅させることもできず、命令には忠実であると言う面だけで召使のようにこき使っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。