第31話 メモ帳

その日は思っていたよりも早く、生徒会長と一緒に行動しはじめて2日目にしてそれは起こりました。


「なぁ生徒会長さん。なんでそんなやつと一緒にいるんだ?」


1年A組の星馬ほしうまくんです。不良のような見た目で口も少し悪いのですが意外と優しくて苦手な勉強を必死に頑張っている良い方です。以前にも、何人かの方と一緒に勉強を教えたことがあります。


「そんなやつってどういうことかな、星馬くん?」


「へぇ〜?生徒会長は俺の名前知ってるんだな。そっちの女はどうかは知らねぇがな」


星馬くんはキッと私を睨みつけてきます。


「どういうことかな?って聞いてるんだよ?」


生徒会長は私を庇うように前にたちます。


「どういうことも何も、生徒会長なら知ってんじゃねぇのか?そいつの噂」


「はい、知ってますよ」


「ならなんで──」


「なんで、はこっちのセリフです」


急に、生徒会長の纏う雰囲気が変わったように感じます。なんというか、一言で言うなら「怖い」感じです。


「これ、何か分かる?」


生徒会長はポケットからメモ帳を取り出して星馬くんに見せます。


あれは、私が昨日一緒に帰っている時にメモ帳を話をしたら生徒会長さんが「見せて欲しい」と言ってきてそのまま貸していたものです。


ですがなぜ今それを……?


「知らねぇよ…」


「じゃあなんで私が星馬くんの名前知ってたかわかる?」


「そ、そんなの生徒会長が生徒一人一人の名前を覚えてたからじゃ──」


「違うよ」


「このメモ帳ね、私のじゃなくて心夏ちゃんのなの」

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