第30話 名も知らぬ女子達

「ん……ここは…?」


目を覚ますといつもの感触がそこにはあった。

硬いテーブルは冬真っ只中というのに少し暖かい。


(休み時間…かな?)


教室は少し騒がしく自由に友達同士で話している声があちらこちらから聞こえる。

そして、より一層近くで聞こえる声が2つ……


「今反応したよね?ねぇ、ねぇねぇ」


やめたまえ。腕をつんつんするのはやめたまえよ


「うん!今確かになにか声が聞こえた…気がした!」


気がしただけならやめましょうよ……


「もしかしたら悪夢にうなされてるのかも!」


「そうだね!じゃあ背中さすってあげないと!」


そういって名も知らぬ女子Aは僕の背中を撫でてくる。あっ、これ意外といいかも……


「あーずるい!じゃあ私は頭撫でる!」


そういって、こちらも同じく名も知らない女子Bに今度は頭を撫でられる。


コラコラ。僕は子供じゃないぞ?


「えー!いいないいなぁ!変わってよ!」


「うわぁ!何これすっごい髪の毛つやつやさらさらだよ!」


「うわほんとだ!女の子みたい!」


違います。断じて違います。僕は正真正銘の男です。


(誰か助けてくれないかな……)


しかし諦め半分で心の中で叫んだつもりだったが、どうやらその叫びは神にとどいたようで助け舟とも呼ぶべき存在が教室に現れる。


「え!?あれって!」


「生徒会長だ!」


「朝も来ていたけどどうして昼休みまで!?」


「あぁ……

私もあんな美しい女性になりたい人生だった……」


「もう、何言ってんの〜」


「「あっはははは!」」


もう女子達はマイシスターこと生徒会長に夢中で僕のことなどそっちのけだ。


(助かったぁ……)


姉さんがここにいるということは宝田も大丈夫に違いないだろう。これなら安心して寝られる!


それでは、おや………すぅ…すぅ……

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