デスクとティアのはなし その2

次の瞬間、二人は自宅の前に戻って来ていた。


「いやあ、とんでもない旅になりましたね。まさか統合大統領直々の依頼を受けるとは。私はただネクターさんにあの建物を見てもらおうと思っただけなのですが」


「こうやってパッとワープされると旅をした気分にならんのだがな。もっとこう、旅程を楽しむものじゃないのか?」


「あんなの、お金も鍛錬も足りていない負け犬の遠吠えですよ。さて、孤児院に行きたい所ですが、こっちは真っ暗なんですねえ」


地球の裏側まで一瞬で飛んだのだ。向こうでは昼だったのが夜に変わるのは当然の結果である。


「この時間じゃみんな寝てるだろうなあ。長旅で疲れたし、俺たちも寝るか?」


「……先程まで昼間だったのに寝れると思います?」


「すまん、無理だ。めっちゃ目ェ冴えてる」


この1ヶ月間は短距離のワープのみしかしていないため、現地の時間に合わせて睡眠を取れていた。しかし、今回は今までの旅程を一瞬で飛んでしまったため、生活習慣がズタボロになっている。


所謂時差ボケというやつだ。読者諸氏の中にワープ能力がある者がいたら共感できるだろう。


「まずいですね。数日は時差調整に時間を取られそうです。ティアさん、確か夜の8時には寝るそうですし」


「早ッ!?体格だけじゃなく生活習慣まで子供なの!?」


「いえ、何でも孤児院の子達と生活リズムを同一にするためだとか。『聖母』の異名は伊達じゃないようですね」


身寄りの無い子供、特に親がアウトサイド能力者であり不幸にもウィンドベルによって殺され路頭に迷った者を一手に引き受けるその姿勢と常に穏やかさを漂わせたその姿からついた異名が聖母である。神の子であるアルテリアを差し置いて名付けられているが、周囲からは全く異論はない。


それもそのはず、ティアはアルパ直々にそうなるよう教育を施されて来ている上に両親から究極のインサイダーとなるべく英才教育を施されている。ある意味ではデスクやネクター以上に縛られた存在と言える。


「はー、徹底してんだなあ。真夜中になっても眠れていない俺たちとは大違いだ」


「それは私達が今まさに地球の裏側から帰ってきたからでしょうが!まあ、いつもネクターさんが寝かせてくれないから夜更かししているのは間違いないのですが」


「寝かせてくれないのはお前の方だろうが!人を散々投げ飛ばすだけ投げ飛ばしといて満足したら寝る癖に!」


「うっ、そっそうでしたか……」


そう言って俯く妹を尻目にドアの鍵を開ける。が、居間からは明かりが差し込んで来ている。


玄関には男物の靴が一足置かれている。自分用の靴はネクター自身が複製しているため、玄関に男物の靴が置いてあることはまず無い。


プリスはそれを見た瞬間に両手を合わせようとする。


「ネクターさん、どうしますか?不幸解放行っちゃいます?」


「近所の人に迷惑がかからない手法で行こう。ドアは後で俺が直すから、そういうの一発頼む」


「お任せあれ」


そう言うなりプリスの右手に全元素が集まり、虹色に光っていく。


「そこまでする!?」


「すみません!貫通した先の壁の補修も頼みます!コンポジットエア!」


プリスが打ち出した虹色の弾はドアを綺麗にくり抜き、その先で音もなく消滅した。ドアの穴から見えるのは、腰を抜かした実の兄デスクの姿であった。


「に、兄さん!?何でここに!?」


「私とネクターさんの愛の巣に不法侵入とは、よほど死にたいようですね、デスク」


慌ててドアを開けたネクターとは対照的に、冷ややかな目でゆっくりと居間に入ってきたプリスは威嚇的に拳を鳴らしていた。


「プリスお前、俺じゃなかったら死んでただろ!」


「分かってて放ちました。今のは威嚇射撃です。今度は直接殴って仕留めますよ」


再び拳を虹色に光らせるプリスとは対照的に、ネクターは呑気に身を乗り出す。


「分かってたって、何で?」


「デスクのよく履いている靴が玄関に転がっていたので。さて、何か釈明はありますか?私は寛大なので5秒も猶予を差し上げましょう」


「違う!母さんから『あんたどうせヒマなんだからあの二人が出かけている間、自宅警備でもしてなさいよ』って言われてだな!」


ジャスト5秒でまくし立てられる命乞いを聞いたプリスは拳を引いた。


「母さん、余計な事を……」


「にしても久しぶりだなあ兄さん。元気かい」


「ネクター、ここまで脳天気な奴だったっけ!?俺はさっきまで命の危機を迎えようとしていたんだけど!?」


「こいつと一緒に生活していたら世の中の事が殆どどうでもよくなる」


「……うん、それは分かる」


「ちょっとどういう意味ですか!?」


ネクターとデスクで言いたい事は微妙に食い違っているのだが、この場にはそれを察する事が出来る者はいない。


「あっそうだ。これクマ王国で見つけた木彫りのクマ。売ろうとするなよ」


ネクターは能力で土産物を精製し、デスクに手渡した。


「……お前、それ何にも無い所から出さなかった?」


「どうやらこんな能力もあったらしい。なんだったらペンギン帝国特産の氷像もあるけど」


ついでに1mぐらいの、マスケット銃を背負った皇帝ペンギンの氷像を作り出して、完全に困惑しているデスクに渡す。


「冷たッ!?」


「兄さんから土産を頂けるなど、これ以上なく光栄な事ですからね。受け取ったらとっとと帰りなさい」


「プリス、ネクターと俺で態度違い過ぎない?」


「ハッ、当たり前じゃないですか。私のエアを悉く無力化するデスクを好く要素なんてこれっぽっちもありませんからね」


能力の事を引き合いに出された事で、デスクは目に見えて落ち込んでしまう。ネクターはそれを見てプリスを睨みつける。


「馬鹿ッ!それは言っちゃいけないだろうが!」


「すっすみません!つい……」


「いいんだネクター。別にアウトサイドのお前らには触れても大丈夫だって分かってるし、そんなに気にする事じゃなくなったんだよ……」


(えー?めっちゃ落ち込んでるじゃん……)

(どうせティアさん絡みの話でしょ)

(もっと落ち込むとこ無かったの兄さん……)


だが、それ以来デスクは黙ってしまった。かと言って追い出すわけにも行かないのでとりあえずお茶を用意した。


「絶対、なんか気にしてるだろ。俺だって気持ちはよく分かるんだからよ、何でも話してみてくれよ」


「ハハ、敵わないな……なあ、一つ相談に乗ってくれないか?出来ればプリスは外していて貰いたいんだが……」


「何で自分の家で人払いにかけられなきゃいけないんですか。私に聞かれて困ることですか?」


「い、いや、そういうのじゃないんだが……仮にも女性だし、恥ずかしいと思って……」


「そのウジウジしたところ、そこも大嫌いなんですよ。いいじゃないですか、どんな話だろうがデスクに対する感情が動く事はありませんからね。そんなに恥ずかしかったらこっちはネクターさんが毎晩私に何をしてくるか暴露致しますから」


デスクは驚きのあまり目を見開いてネクターを見る。


「は……?おまっ……妹に……手を……?」


「先に手を出して来たのはこいつの方であって俺は悪くないと釈明させてもらいたい」


「はぁー?最近はずっとネクターさんからじゃないですかー?まるで人を悪者みたいに扱うのやめて下さいませんかー?」


「何でもやっていいっつったのはそっちの方だろ、自分からは抱きつくぐらいが精一杯の癖に」


「やめて!兄妹同士の性生活を暴露するのはやめてくれ!」


堪えきれずに叫ぶデスクを見たプリスは計画通りと言わんばかりのほくそ笑みを見せる。そもそもネクターとプリスが毎晩やっているのは日課であるニュートラルでの投げ合いだったりする。


「どうやら緊張は解けたようですね。さあ、何でも話してご覧なさい」


「……お、おう。あのな、実はな」


それでもデスクは1分ほど言い淀んだままであった。覚悟を決めたようで決めていない。それがデスクという男の心根を表している。


「おかしなことかもしれない……いや、お前らに比べたら全然セーフだと思うんだが……実は、俺……ティアさんの事が好きなんだ」


「知ってます」

「だろうな」

「反応薄くない!?」


「んなこと俺が家出する前から知ってたぞ。20ウン年も恋心が持続するってすげえな」


20年前のネクターにすらバレていた事を恥じ入り、デスクは机に突っ伏してしまう。


「でもさ、絶対に届かない高嶺の華を追い続けるその姿勢に勇気づけられたのは事実なんだよ。胸を張っていいと思う」


「ネクター、お前……」


「そうです。私は四親等の幼女でないと興奮しませんと高らかに喧伝すれば良いのです」


「二親等に欲情している奴がチャチャを入れるな」


「正確にはネクターさんだけですー。デスクは眼中に入ってませんー」


ネクターはデスクがプリスを廃して話を進めたがっていた理由がよく分かった。この二人、絶望的に仲が悪い。ある意味では仲が良いのだが、その心の機微に気づくネクターではなかった。


「とにかくだ。兄さんがティアさんの事を好いてるのはよく分かっている。だからこそ、その能力が枷になっているんだろう?」


「そう、そうなんだ。それ以外なら気をつければ日常生活はなんとかなるようになった。万が一他人とぶつかってもこの街に住んでいる限りはどこでもエーテルが補給出来るからな」


デスクの能力、マナデストラクションは接触した者の魔力を一瞬にして消し飛ばすという極めて強力かつ制御の効かない呪いである。アウトサイドでもインサイドでもない、ニュートラル能力に分類されるため、アリアのフラワリングガーデンでは無効化出来ない。


性質上、魔力を一切有さないアウトサイドには無害なため、アウトサイド能力者の下級エージェント達が養育を担って来た。ネクターが家出してからはウィンドウが主に育児を担っていた。


ただ、おいそれと人に触れる事は出来ないため公立の学校には通えず孤児院にてピエット達の授業を受けるだけであった。そのためか少々鬱屈しやすい性格に育っているのは無理もない。


「うーん、私の口からは絶対に諦めろとは言えません。ついに不運まで纏めてネクターさんと結ばれましたからね。ですが、それがニュートラル能力というのがとても厄介なんですよね。原生生物に備わってしまったをどうやって切除出来ましょうか。もしもそれを纏めるのであればデスク本体ごと圧縮してしまうのです」


「親父にも同じ事を言われた。お前が干渉力で消し飛びたいならやってやる、とまで言われたよ」


「……というかですよ?デスク、それティアさんとお付き合い出来ると仮定して話してません?能力云々以前にあのパーフェクト聖母を落とせるとお思いで?」


「うっ!?」


痛いところを突かれた。前提が付き合えることであり、今の段階ではまるで話にならない。


「分かりました!そもそもフラれてしまえばいいんですよ!そうすればその恋心もなんとか吹っ切れるかもしれません!統合政府と事を構える勇気があればフラれてもストーカーと化して心中しても構いませんし。いや、それは避けたい事態なのですが」


「えっと、要はとっとと告白しろって事か。頑張れ」


「無責任だな配偶者持ちどもは!」


「現に私はそうしました。初対面で告白し、初日から半ば強引に同棲を始め、伯父さんに頼んで戸籍を改竄して法にも抵触しないようにしましたからね!」


「お前は逆にその執念が怖いよ!」


良い子はプリスの真似をしてはいけないぞ。


「どうせ俺たちも明日はティアさんの所へ顔出しに行くからな。兄さんが普段どんな風に生活しているか見にいこうじゃないか」


「……問題は、いつ眠れるかですよね。時差ボケを直さないことにはどうしようもありません」


「時差ボケって、どこまで行ってきたんだよ」


「先程まで統合大統領府に」


デスクはその場で泡を吹いて倒れてしまった。彼自身のクソ雑魚メンタルのせいでもあるのだが、彼にとってアルパは現状最も恐れる存在であり、最大の障害であるためだ。


「……どうしよう」


「空き部屋にベッドを見繕ってやってください。ビビる気持ちは分かりますから」


「あいよ」


空き部屋にベッドを生成し、プリスがそこにデスクを運ぶ。多少痙攣しているが、何も見なかった事にしてリビングに戻ってきた。


「さて、話題はまた時差ボケの話に戻るわけだが」


「……あ、ありましたよ強制的に寝る方法。私達アウトサイドじゃないですか。能力を使いまくって気力を無くしてしまえば良いのです」


か?以前の俺だったら重機100台単位で同時に動かしてやっとだったな」


アウトサイドにもインサイドにおける魔力と同じように、気力というものを消費して能力を行使している。気力とは精神力、意志力、決意と読み替えられる心の力であり、内包している量は常に変動し、明確な基準は定められておらずその限界は自分にも分からない。


唯一判断出来るのは能力を使い過ぎた場合、明確な疲労を自覚する時のみだ。基本的にアウトサイド能力者はある程度能力を空焚きして自分の限界を知ることが鉄則となっている。


「1ヶ月前までならネクターさんの不運を纏めるだけで半分ぐらいリソースを持って行かれていたのですが、今はほんの1割といった所ですね。毎晩抱いていただいているのがかなり功を奏しています」


とはいえ何度も限界判断のために意識を落としているわけにもいかず、なおかつ急激な成長の余地がある場合は判断がさらに難しくなる。本来気力の上限値が伸びて困ることはまずないのだが、今回のような例外の場合は非常に困る。


「俺はどうか知らんが、少なくとも同じ事をやった場合、近所にすげえ迷惑がかかる」


「私の場合、周囲10kmが無に圧縮される試算が出てます」


「……却下、かな」


「申し訳ありませんでした」


「いや、いい。謝る事じゃない」


そしてもっと困るのが彼らの能力が余りにも強大過ぎるという点だ。気力を一瞬で使い果たしての睡眠導入として使うには余りにも犠牲が多過ぎる。


「そうだ。なんかこう眠気を纏めてぶち込むとか出来ねえの?インサイドにそういうのあるじゃん」


「纏めた瞬間、私だけ落ちるので難しいかと。原理としては脳を欺瞞するものですし。そういうネクターさんもなんかこう……スッと眠れる道具とかありません?」


「んなもんあったらとっくに作ってるわ。こりゃ睡眠薬あたりに頼るしかねえか?俺が作ると効果ないから買わなきゃならんが」


「安易に薬に頼ると以後依存するからダメだ、とクスターさんがおっしゃっていました。あ、睡眠魔法も同じらしいですよ?」


「こりゃ徹夜コースか?……あっ、そうだ。そういやいつもの通販番組の時間だ」


ネクターはかつて通販番組の商品を見るだけ見て構造を理解し、投影して使っていた時期がある。所謂深夜の怪しげなテレビショッピングだが、使って見るとなかなか使用に耐えるものばかりであるため全幅の信頼を置いている。


それもそのはず、その商品の殆どはマカリスターの新作で構成されているからだ。自分の作品であることを誇示したがるマカリスターにしては珍しく出元を明らかにしていないためネクターは気づいていない。これは自身のブランドに躍らされない客層を開拓するためなのだとか。


テレビをつけると、丁度その番組がやっていた。プリスにとっては見知った顔の男女が商品の説明を行っている。


「あれ?この人達、伯父さんの秘書の……」


「マジかよ、これウィンドベルでやってる番組かよ!どうりで使い勝手がいいと思ったら!」


「伯父さんの経営手腕が恐ろしくなって来ました。最近ではゲーム開発のためのスタジオも立ち上げたとかで、どんどん部門を増やしているんですよね」


ウィンドベルの本業はアウトサイドの打倒及び保護ではあるが、そのための活動資金は大体ピエットが稼いでいる。設立当初から総務部を置き自分の代わりに動ける人材を確保し、最近ではあらゆる産業に手を出し、もはやサンライズアイランドの人々の生活に欠かせない企業と化した。


そのピエット本人は全ての業務を信頼の置ける部下に任せ、孤児院で子供たちと戯れる日々を行いつつ趣味の株式取引で荒稼ぎしている。そのポケットマネーをフルに使ってさらなる事業拡大に充てているため、それがある意味では仕事と化している。


そうでなくとも親から引き継いだセントラルシェルの行政代執行業務とマカリスターの敷いたエーテルインフラ網による収入、そして莫大な資産から無限に産み出される利子によりもはや何もしなくても勝手に資金が生まれて来ている。事業の拡大はある種の道楽のようなものだが、何故かそれも収益を上げているという奇妙な事態に発展している。


アルパ曰く、金運に愛されているとしか言えないとの事だ。ネクターとはつくづく正反対を行く男である。


「そう考えると兄さんの挑戦がより無謀なものに見えてくるな……母は統合大統領の娘で父はウィンドベル総裁って超ド級お嬢様を口説き落とそうって言うんだからな。俺たちの従姉なんだけど」


「そんな事言ったらその総裁の妹は私達の母なんですけどね。あまりにも所帯染みていて実感が湧きませんが」


「母さん、お嬢様感ゼロだもんな」


アリアに関してはそういう風に育てようとした父に反抗してああなったという経緯がある。それは特に彼女の口から語られていないため、彼らの知るところではない。


「家の格はともかくとして、問題はティアさんご自身がデスクをどう思っているかに尽きるのですが……おっ、今日の商品使えそうですね」


「なになに……人をダメにするソファ?座った瞬間誰でも一瞬でソファに取り憑かれ、微睡みに落ちてしまう……?なんつーもんを開発してくれたんだあの人」


「ともかく、これ作って下さいよ!間違いなく効果ありますって!」


「待て待て。テレビ越しのものを作るには商品説明を最後まで観なきゃならんのだ。特許を既に取得しているせいか、ちゃんとどういった原理でそうなるかまで解説してくれるのがこの番組の強みだから助かる」


ネクターの能力はあくまで直に見たものを作るものであって、映像越しのものは詳細な情報を組み合わせないと作る事が出来ない。だからじっくりと番組の解説を注視している。


「はー、成る程な。あえて羊毛を混ぜる事で呪術めいた睡眠導入を可能にしているのか。よしよし、大体分かったぞ」


テレビに映っている丸型のソファが、そのままリビングに二台現れた。


「……一緒に寝ないので?」


「生憎これは完全な一人用だし、そんなことしたらつい手を出したくなるからな。今回の目的は即睡眠を取ることだろ?」


「そんな事を言われたら嬉しくなり過ぎて眠れなくなるじゃないですか!ナチュラルにデレてくれるようになったのは大変感激なのですが!」


ネクターが言っているのは投げ合いの応酬の事なのだが、言わぬが花である。


「その状態で寝られたら本物という証左だろ。とっとと使ってみるぞ」


「ハッ、ソファ如きが私の湧き上がる感情を抑えられるとでも!?いいでしょう!なんだったらこのまま夜を明かしてやりますよ!とう!」


プリスは人をダメにするソファに尻から飛び込んだ。ネクターもゆっくりとソファに腰を下ろすが、二人の表情が一変した。


「…………マズイです。私、落ちます」


「俺もだ。おい、ヤバイぞ。これ……抜け出せ…………」


数秒後、二人は寝息をたて始めた。

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