継続

「続けよう」

 剣を振った疲労の中で言いました。


 日が暮れ、月が昇るまで時間が経ちましたが捜し物らしき物すら見つかるに至っていませんでした。

 それでも諦めずに一歩、また一歩と腰を低くして森の中を歩き続けていました。

 諦めてはいないもののどうせ無いだろうと思いながら次の一歩を踏み出しました。

 その時、キラリと光るものが視界に入りました。

 月の光を反射するようなものが近くにあるようです。

 キョロキョロと見回すと粒のようなものが輝いていました。

 即座に拾い上げるとそれはゴムボールとゼリーの中間のような触感の球体でした。目当ての物では無いと分かると親指と人差し指で潰し仲間に報告することもなく作業に戻りました。


 それからどれだけの時間が立ったことでしょう。

 時間の経過につれて謎の球体との接触回数が増えてきました。

 1つ、2つに収まることなく月明かりを反射して視界に入ってきました。

 見つけるたびに潰すもののこれでは埒が明きません。

 そのうち手で潰すことも面倒になり見つけるたびに足で潰していました。

 また光が視界に入り、はあ、とため息をつきながら前へ一歩進みました。すると視界内が光に覆われました。

 昼間の日差しというのではなく夜の街の街灯の明かりが一箇所に集まったような光でした。その光は明らかに視界内だけのものではなく特に後ろに多く感じました。

 心臓の音を聞きながらばっと振り返るとそこには無数の小さな球体の集団が、

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


END 夜、球体
































最初へ。

「気まぐれな王家の頼みのお使い」へ

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異世界の世界線でのできごと 川野マグロ(マグローK) @magurok

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