会話

「ピアス、渡してくれませんか?」

「嫌だ」

「渡してくれたら金もあげられるんだけどな」

「ぐ、金か?」

「ああ、金だ。金、欲しいだろ?」

「確かに、いや、しかし、本当にボイ達が本当に依頼されてるとは限らない。それでも金を払えるのか?」

「まあ、うそついてないしな?」

「そうです」

「口ではなんとでも言えるだろう」

 ブレデガは顎に手を当ててしばらく黙っていました。

「よし、渡そう」

「本当か」

「ただし……」


 ブレデガはすんなりとピアスを渡すことは無く、金の前に要求をしてきました。

「本当だったとはな」

「当たり前であってよ」

「疑って悪かったな」

「いいんだよ」

 今はワグ城に居ます。

「見つかったというのは本当か?」

「はい」

「俺が見つけました」

「お主は?」

「ブレデガです」

 王は部下を顎で使ってブレデガからピアスを受け取りました。

「ほう、探していたものとは違うが我が王家の物。うむ、無くなっていたものを見つけたなら仕方あるまい。褒美を授けよう」

「やった」

「ブレデガだけじゃ」

「そんな」

「当たり前だろう。見つけたのはブレデガだけじゃ。頼みのものでは無い。引き続き頼むぞ」

「マジかよ」

「ブレデガは残ってよい」

「はい。ありがとうございました。さようなら」

 部下達によって城の外へと出されました。


「はあ、ねぇよ。こりゃねぇって」

「口じゃなくて手を動かすのであってよ」

「そうですよ。ピアスがあったんです。指輪も王冠もあるでしょう」

 資金的援助も何もないまま捜し物を続けました。


END 他者評価
































最初へ。

「気まぐれな王家の頼みのお使い」へ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895315636

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