ファイアー
「バック、ボイ! ファイアー! ファイアー!」
指示、と共に攻撃を開始しました。
「ファイアー! ファイアー!」
「ファイアー! ファイアー!」
叫び小さな火球をスライムにぶつけます。
何発も何発も撃ちます。
視界が炎で一杯になろうとお構いなしに打ち続けます。
森の木へ当てたなら火事で大騒ぎに鳴る量の火球をスライムへ浴びせ続けます。
スライムの体と火球が接するたびに、ジュ、と音を立てています。
「スライム、黒くなってるぞ!」
着実にスライムの体には火球がぶつかり色が黒へと変色していました。
スライムは火球を避けることなく真っ直ぐ進み続けています。
「ファイアー!」
ボッ!
ひときわ大きな音が鳴り響きました。
同時にスライムの全身が止まりました。
「やったんじゃないか? イェーイ!」
ボイが飛び上がり着地しました。
ドスン。
人のものとは思えなほどの大きな着地の音がしました。
ボイの後ろで黒い塊がたしかに前へと進んでいるのが見えました。
スピードを少しずつ速めてこちらへと近づいてきます。
「逃げるのであって」
スライムに背を向けて走り出しました。
全力で手足を動かしますが一向に音は小さくならずむしろ大きくなってきます。
ドン。
今までで一番の音がすると足が地面から離れました。
空中でどれだけ手足を動かそうと前へ進めません。
地面に足がつくより早く背中に激痛が走りました。背中から電気のように足へ頭へと痛みが響き……
END 焦げたスライム
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https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895315636
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