疑おう君を

 あなたは剣を取りました。

 利き手に力を込めて握り締め、昨日のように逃すこと無く、今、この時の一撃をもってして仕留める思いであなたは剣を振り上げました。

 視界が赤くなり、剣から熱さを感じ取ると今までに無かった感情をもとにあなたは剣によってスライムを切り払いました。

 目に映った剣は炎のように赤く染まりスライムに触れるとスライムを一瞬の内に蒸発させました。

 切り払い終えるとあなたは火の着いたベッドを目の前にしていました。

 スライムが居た場所には炎が広がり、部屋のあちこちへと移っています。

「おい。火事だ。って、どうしたんだ。発火元じゃないか」

 ボイがドアを開けて叫びました。

「何ぼーっとしてんだ。水なんか出せないだろ。何より命が大事だ。逃げるぞ」

 それでもその場に立ち尽くしているあなたを見かねたようにボイは部屋に入ってくると強く左手を引っ張りました。

 そのままされるがままで宿屋の中を歩いて外へ出ました。

 外へ出ても宿屋は燃えていました。

「何があったんですかね?」

 マナは言いました。

「分からないのであってよ」

 ドゥーニャは言いました。

 2人とも不安そうに手を握り合っています。

「バカをやったのはコイツだ」

 ボイはあなたの事を指差しました。


 それからあなたは仲間達に連れられザプスカイの街へ戻り王の元へ、不祥事を起こしたあなたは仲間達のリーダーという事もあり連帯責任で皆牢へと入れられました。


END 牢の中



































最初へ。

「気まぐれな王家の頼みのお使い」へ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895315636

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