お休み、また明日
「じゃあ村に戻って休もうか」
あなたの声を聞くと仲間達は手にしていた武器をそれぞれ収めると村に向けて歩き始めました。
日が暮れたとはいえ今はまだ少し先も見えないほどの暗闇というわけではなく歩くことには問題はありませんでした。
「ぐううう~」
村に着くなり誰かのお腹がなりました。
「悪い安心したら腹減っちまった」
ボイは言いました。
闇ではなかったものの盗賊の危険があることに変わりのない森の中では警戒を怠る訳にはいか無かったものの村に着いたことでそれも解かれたようです。
「確かにお腹空きましたね」
マナが言いました。
「ここは宿屋で済ませるのであってよ」
ドゥーニャは言いました。
このスリブシの村は飲食店は多いものの宿屋は1つしか無く選択肢はありませんでした。
「お、なんだ。飯食えるのか」
ボイはドゥーニャに聞きました。
「そうであってよ」
「何で知ってんだ? 来たことあるのか?」
「たまたま通った時に書いてあったのを見ただけであってよ」
「そんな事書いてあったか?」
「さあ? 分かりません」
ボイに聞かれてあなたとマナは首を斜めにしました。
「本当にたまたまか?」
「そ、そうであってよ」
ボイはドゥーニャの瞳を上からじっと見つめていました。
「……」
「ま、それならいいんだけどな。じゃ、そこ行こうぜ」
ボイは言いました。
「あ、当たり前であってよ」
ドゥーニャは先頭を歩き出しました。
「ま、こんなもんだよな」
ボイは言いました。
「そうですね」
マナは言いました。
「……」
ドゥーニャは黙っていました。
宿屋で済ましたご飯は宿屋の外装からくるイメージと違わず店のご飯としては質素な雰囲気でした。
「腹がふくれりゃ何でも十分だ。疲れたし今日はもう寝るわ」
ボイは大きく口を開けると涙目になりながら手を降って部屋に入っていきました。
運良く4人分の1人部屋を確保できたためボイのイビキを聞くこと無く眠ることができそうで残された3人はふと笑みを浮かべていました。
「それじゃあおやすみなさい」
マナは言って部屋へ入っていきました。
「お休みであってよ」
ドゥーニャも言って部屋へ入っていきました。
あなたは仲間達が全員部屋に入ったことを確認してから部屋へと入りました。
部屋に入るなり足取りがおぼつかなくなりフラフラと歩きながらもギリギリベッドに前から倒れ込みそこで意識が途切れました。
「ぷるん」
音がしてあなたは目を覚ましました。
うつ伏せのまま眠ってしまっていました。
息がしづらく倒れ込んだ姿勢から横に転がり仰向けになると一瞬視界に何かが入り込みました。
体を動かした時に自然と開いた目から入ってきた情報に反射的にあなたは目を見開きました。
「ぷるん」
目の前に居たのはスライムでした。
それも大量の小さなスライム達でした。
武器を取る。
「疑おう君を」へ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054896228483
会話を試みる。
「信じよう君を」へ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054896326758
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