意思決定は自己決定で決まり
「いや、ここは街まで噂が流れてくるオムライスで有名なお店にしよう」
あなたが言うとパーティの仲間達は笑顔で頷きました。
「お前が言うならそうしようぜ」
とボイは言いました。
「ワタクシはそれでも良いと思ってよ」
とドゥーニャが言いました。
「ええ、賛成です」
とマナは言いました。
あなたを先頭にして一行はオムライス店を目指して歩きはじめました。
「ここだよ」
着いた先は村の雰囲気に溶け込んでおり他のお店と何か特別違いがあるかというとそういう訳ではありませんでした。強いて言うならば看板が出ているので他のお店とは区別することは容易であるといったところでしょうか。
本当に特徴としてはそれくらいなものでその看板さえ無ければ民家と見間違えそうなほどの様相でした。
「ここ本当に食べ物屋か?」
ボイは怪しむように店を上から下まで睨むように見ていました。
「それはそうであってよ」
ドゥーニャはさも当たり前といった雰囲気で言いました。
「何でだよ」
「あれじゃないですか?」
マナが指さした先には例の看板がありました。気でできた素朴な雰囲気の看板です。
「おう。あれなら人ん家じゃねぇな。そんなら入ろうぜ」
一番怪しんでいたにも関わらずズカズカ進むとボイはオムライス店のドアを開けて中に入りました。
「いらっしゃいませ」
ドアを開けるとカランカランと鈴の音がして店員さんが出迎えてくれました。
「何名様でしょうか?」
「4人だ」
「かしこまりました。4名様ご来店でーす。こちらへどうぞ」
店員の行動に驚いたのかボイは目を丸くしてその場から動こうとしませんでした。
「何かあって?」
ドゥーニャが後ろからボイの背中を押して後ろから店内へと入ってきました。
「あ、いや、何だ? ちょっと変わってるなって、な」
「そうでしょうか? 店員さんも困っていますし席へ行きましょう」
「お、おう。そうだな」
「フフフ」
落ち着いた雰囲気を保ったままのマナと正反対に普段とは違い静かになっているボイを見てドゥーニャは笑っていました。
「ご注文がお決まりになりましたらそちらのボタンでお呼びください」
「おう」
席に着くとメニューの説明などなどを受けて店員さんは戻っていきました。
「何だよ。オムライスだけじゃないじゃないか。それに肉まであるし」
ボイは途端にいつもの調子を取り戻したように口角を上げて話し出しました。
「こんなにいっぱいから選べるのか、そりゃあ人気だよなぁ」
パーティの仲間達はメニューの中から各々食べたいものを選び結局オムライスを食べたのはあなただけでした。
目に飛び込んでくる卵とケチャップ、口に入れると溶けるようなまろやかさを感じました。
「いやぁ、悪いな、オムライスを食べるはずだったのに」
「そうであってよ」
「でも、ドゥーニャさんもオムライス食べてなかったですよね」
「そうだよ。おかしいじゃねぇか」
店を出た後もワイワイガヤガヤと話し続け気づくと村の入口まで来ていました。
捜し物再開。
「準備万端」へ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895978799
まだ休憩。
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